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フランスでの思い出
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『フランスでの思い出』に投稿された感想・評価

amazon.jp/dp/B082BWQTQ1
ok.ru/video/3475520424506
3.6
1975年のアンドレ・テシネ監督作品。IDHEC(高等映画学院)卒業後、「カイエ・デュ・シネマ」誌で3年間映画批評家として働いていた彼は1969年に『去り行くポリーナ』という作品を監督しヴェネチア国際映画祭上映されるもほとんど劇場公開されることなく、お蔵入りとなり正式に公開されるのは1975年まで待たなければならなかった。タイトルは主人公のポーリーンが兄弟たちと暮らしている家庭と、正気の精神世界の両方から去って行くことを意味しており、ジャン=ピエール・メルヴィル監督『恐るべき子供たち(1950)』の要素も取り入れた映画狂のテシネ監督らしい作品であった。第1作がお蔵入りになったこともありすぐには次作を撮ることができなかった彼は他の監督に脚本を提供したり、テレビ、舞台の演出をしたりして過ごしていたが、1975年に『フランスでの思い出』を撮ることになる。テシネ監督の故郷ヴァランス=ダジャンで撮影されたこの作品はオーソン・ウェルズ監督の『偉大なるアンバーソン家の人々(1942)』にインスピレーションを得ており、1930年代から70年代にかけてのある家族の変化を通してこの時代のフランスの生活や政治を描き出している。

スペイン移民のペドレ(アラム・ステファン)の経営する工場の前の道で映画は始まる。2人の人物が逆方向から歩いてくるのを、足、胴体、顔とそれぞれ順に映して接近を表す。1人は失業者の男ピエールでもう1人はこの映画の主人公ベルト(ジャンヌ・モロー)だ。工場が閉鎖されていると嘆くピエールに対して、この日はペドレの末の息子プロスペル(クロード・マン)とレジーナ(マリー=フランス・ピジェ)という女性の結婚式だから休業していると教える。レジーナは本作のもう1人の主人公の女性だ。結婚式でペドレの家族の前でも気を遣わず不機嫌な顔をするし、家族でジョージ・キューカー監督『椿姫(1936)』を映画鑑賞に行っても皆泣いている中で「くだらない」と言いながら大笑いする奔放な女性だ。しかしペドレの妻オーギュスティーヌからの圧や田舎暮らしの退屈さから、家の中を牢獄と感じている。彼女の奔放さが発揮されるのは戦後、アメリカ兵と出会い駆け落ちしてアメリカへ行くことになる時である。
ベルトはペドレの長男エクトール(ミシェル・オークレール)と密会を重ねていた。エクトールとの密会は外で行われるが、お針子の仕事で衣類を届ける際は、屋敷の中に入っていく。屋敷の外には白い鉄柵があり外と中を隔てており、レジーナが外へ行く時にもこの鉄柵は本作で何度も象徴的に使われている。ベルトの事が気に入らないオーギュスティーヌはライバル会社を優遇するなど妨害工作を図り、エクトールとの仲を割こうとする。しかしペドレに気に入られたベルトはエクトールと結婚することにより、正式に家の中に入っていく。ペドレの死後はその手腕から経営を任されたり、戦時中の対独レジスタンスに参加したりと家族の中心人物になっていく。ストライキが起こると労働者たちと対話して彼らの要求を受け入れることで解決させる。本格的に経営危機に陥ったとき援助してくれるのは家の中から外へ出て行ったレジーナであった。

この作品では屋敷の外の白い鉄柵の中と外が貧富の境界線のようになっている。中から外に出るレジーナと外から中に入っていくベルトを通して時代とブルジョワ家庭の変容が描かれている。お針子時代のベルトが鉄柵の前に立つシーンはアルフレッド・ヒッチコック監督『レベッカ(1940)』の大邸宅マンダレイの入り口を映すオープニングを思わせる。その後、衣服の出来をチェックするオーギュスティーヌが「R」の刺繍を見て「レベッカ」と口ずさむ映画遊びもテシネ監督ならではだ。映画の最後のベルトのモノローグも鉄柵を映しながら語られており、この鉄柵の重要さはうかがい知れるだろう。