別離によって壊れた家族、父と子の再生物語だったが、父の成長物語の側面が強かった。
クライヴ・オーウェン、ジョージ・マッケイ共演。サイモン・カーによる著書(回顧録？)の映画化。

かつての家族を捨て新たな家族を持った男が、妻を亡くし、息子と前妻の息子と向き合う。
クライヴ・オーウェンが演じるお父さんは、亡くした妻に任せっきりだったようで、なんとかやりなおそうと息子には彼なりの方針(できるだけ禁止事項を減らし自由にやらせるjust say yesの方針)でやろうとするが、小さな子供に自由を与えすぎてうまくいくわけもなく。

ジョージ・マッケイが演じる前妻との息子ハリーの存在が大きかった。
彼自身も自分を捨てた父への不信感や寂しさを抱えながらも、最後にはしっかりと自分の意思で決断したことが見て取れて成長しているが、彼の存在のおかげで父はしっかり過去と向き合い、自由と責任、後悔と贖罪の話になってきたように思う。

真新しさは無いストーリーだけど、心理描写の繊細さがとても良い。

ジョージ・マッケイ、天才子役の域だと思うんだけど、なぜ子役時代は話題にならないのか…。作品自体の知名度が低いからかな(そもそも日本に入ってきてないものもいくつかあるし)