今まで活動写真弁士の説明付き上映は何度か観た事ありますが、全部大森くみこさんばかりでした。
今回弁士界の若手のホープと言われてる尾田直彪(なおとら)さんの説明が聞けるとの事で、観に行く事にしたので作品は全く知りませんでした。

今作は1910〜20年代頃に人気だった新派悲劇と言うジャンルの作品だそう。
更に『己が罪』と言う話し自体も人気で、今作以外にも何本も映画化されてるらしい。
元々は女性が主人公の悲劇的なメロドラマなんだけど、今作は"作兵衛"と言う恋愛に直接は関係ない人物を主人公にしていました。

夜の海で必死の捜索をする漁師たち。
男に弄ばれ捨てられた環と言う女性が身投げをしたらしい。
環は無事助けられたのだが、出産しても婚外子の子供では肩身の狭い思いをする事になる。
環を助けた作兵衛は赤子を自分が育てる事にするのだった。
玉太郎と名付けられ成長した少年は、親無し子と学校でいじめられていた。
作兵衛は一眼母親に会わせてやろうと環の元を訪れるのだが、環は子爵の元へ嫁入りし、子供ももうけていて…、って話し。

過去を隠して子爵の所へ嫁入りしてるので作兵衛なんて知らないと追い返す環。
助けてもらった恩どころか、自分の息子すら無かった事にしようとする身勝手さ。
そこにかつて環を捨てた男が医者として戻って来て、環と子供を捨てた事を後悔していると言う。
こちらもかなりの身勝手さ。
環の家族が避暑に訪れた漁村が作兵衛と玉太郎の住んでいる所で、何も知らない玉太郎と環の息子は仲良くなるのだが…。
全く救いのないラスト。
身勝手な大人たちのせいで訪れる悲劇。
玉太郎と両親が揃ったのがこんな状況とはなんとも皮肉でした。




＊＊＊＊＊＊＊＊＊鑑賞記録＊＊＊＊＊＊＊＊＊
鑑賞日：2025年5月24日
鑑賞回：13:30〜15:10
劇場名：ｼｱﾀｰ･ｾﾌﾞﾝ
座席情報：BOX1 C-12
上映方式：2D 活弁、伴奏付き
レーティング：G
上映時間：20分
備考：尾田直彪の「活弁一直線」vol.2
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