ばんてふ

キツツキと雨のばんてふのネタバレレビュー・内容・結末

キツツキと雨(2011年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

・この映画は青年とおっさんの二人の心の距離を表して、互いの成長を描いた映画。

・タイトルの入り方がよかった
→役所が木を登り、それを追うことで背景も村の景色に変わる
そして背景の上にタイトルが映る。実際木を登るシーンは目を引いた

・タイトルに「雨」が入っているからかシーンの転換に何回か空のショットを急に入れていた
→空模様を移すことで情景描写
・お風呂のシーンが良かった。グイグイ話しかける役所から逃げ気味の小栗。画面上だと、最初、役所はオフの状態で声だけ入ってた。役所が画面の中に入ってくると反対に小栗が画面の外に出て行く。画面の枠を利用して心の距離を表していた。
中盤のお風呂シーンでは立場が逆になっていたのも面白かった

・車での会話、温泉、家での将棋、腹痛の時に判断を頼る、監督椅子の作成、制作への参加、あんみつを共有。

・あんみつを食べることで自分へのルールを破ることになる。だが、逆にそれが小栗の内気な部分を治していった。

・小栗の頭に流れ込む声は最初は自分の声だったが、最後は役所の声になる。→それだけ役所の存在が小栗の中で大きなものとなっている。

・途中から小栗は誰かに判断をあおることがなくなった。

・二人が完全に打ち解けたのはあんみつの時。あんな関係が羨ましいなとすら思った。

・ラストシーンの海から山への場面転換→二人とも、それぞれの道を進んでいるということ。

・途中撮影のシーンをあえて遠くから撮ることがあった
→シュールに見えた。なんか呑気な感じが良かった。暖かい。

・役所がクランクアップに駆けつける時、オレンジのカッパを聞いた。緑とオレンジのコントラストが綺麗だった

・息子が自分の買ってきたカメラで将来を決めることはすごく嬉しいこと。→職を継いでくれなくても、自分が息子の人生に影響を与えたことには変わりない。全く与えないよりはまし。

・朝ごはんがしっかりと作られていて美味しそうだった

・役所と助監督のやりとりがリアルだった。最初の「はい?」とか。車の中でのやりとりとか

・クランクアップで晴れた時の小栗の顔が良かった。
また雨が降り出すがその雨はそれまでの雨とは違った雨だった
テントに駆け込むところが華々しいしくていい。

・クスクス笑える映画。人が死なない映画としての魅力がでている。暖かい。

・エンディングがうまく映画の雰囲気を出していた
ばんてふ

ばんてふ