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キツツキと雨のLEGIONのレビュー・感想・評価

キツツキと雨(2011年製作の映画)
3.5
60代の木こりと20代の映画監督、2人の交流を描いた物語。現代の人達の会話は時間をかけないという目的から、主語や目的語を省き、略して表現する。初心に帰り、全てのことを巡り合わせと思い十分な時間を使って丁寧に接することで当たり前の日常に変化を生むことが人生において大切なのだと感じた。時に丁寧の逆をついた抽象的な課題をあえて投げかけ、考える時間をつくる。多種の時間の取り方を用いる映画構成は見応えがあった。
若い者<年寄りという不等式は生きた年月の長さ分尊敬に値するということから正しくはあるがこの不等式の生む勘違いはあってはならないと感じた。2パターン存在し、一つ目が「若い者」は自分で判断せず「年寄り」の存在に依存し判断を委ねること。二つ目が自我などの自分の個性を尊重して他人の個性は否定すること。信頼と自信は一歩踏み外すだけでかなり変化してしまうものなのだと学ぶことができた。
人は簡単に変わることはできない。だからこそ一つの変化が人を大きく成長させてくれる。主人公は最初と最後では全くの別人。違和感なく自然変化していくよう描かれた様は心が温かくなる。変化は外見ではわからない。承認欲求を主としない主人公2人の在り方は感動した。
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