オーウェン

モスラのオーウェンのレビュー・感想・評価

モスラ(1996年製作の映画)
3.0
平成モスラの第1作目にあたる、この米田興弘監督、川北紘一特撮監督の「モスラ」には、昭和モスラと同じくインファント島が登場するが、かつての水爆実験によって汚染され、外来者に小美人やモスラの卵を奪われる虐げられた島ではない。

開発が進む北海道の森林で、奇妙なメダルが発掘される。
そのメダルを巡って、インファント島で暮らすエリアス族の生き残りの悪い妖精(羽野晶紀)と、二人のいい妖精(小林恵と山口紗弥加)が、手からビームを放ち、時には小さなモスラ状のフェアリーに乗って空中戦を繰り広げ、メダルは悪い妖精の手へ。

悪い妖精は、そのメダルで北海道の巨大な岩に封印されていた、宇宙から飛来した強大な破壊獣デスギドラを解放、地球危うし!?-------。

むろん、いい妖精たちがそれを許すはずはなく、地球の守護神モスラをその棲み家インファント島から呼び寄せ、デスギドラと対決させる。

しかし、デスギドラの圧倒的な強さの前にモスラは敗退を遂げてしまうのだった-------。

この平成モスラは、地球環境問題や家族の絆などのテーマはあるが、明るいSFファンタジーであり、核実験や人間不信など、ドラマに影のあった昭和モスラに較べて軽く感じてしまう。

またこの映画の前年までの平成ゴジラシリーズで、都市の破壊に次ぐ破壊にしびれた怪獣映画ファンも、大自然を背景に戦う平成モスラには、ちょっと肩透かしを食らったように感じるかもしれない。

デジタル合成もミニチュア特撮も、出来はいいだけに実に惜しいと思う。
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