ニコール・ガルシア監督 が「リモノフ」の著者でもあり脚本や監督もつとめるエマニュエル・キャレールのノンフィクション小説「嘘をついた男」を映画化。
嘘の上塗りを続けて耐えられなくなった男が犯した犯罪。
ダニエル・オートゥイユはこの役でセザール賞主演男優賞受賞。

映画「タイムアウト(2001)」と似た話だな？と思ったら、そういえばあちらも同じジャン＝クロード・ロマンの事件が元になっていて、そこから着想を得たストーリーだった。しかも一年違いで製作されていた。

序盤にちらっと事件を見せてその後過去の話へ。一体何があったか、その顛末を描いていく。
見栄を張って自分を大きく見せたい、痛々しいけどよくある話。仕事に行くと言って外をふらついているのも聞いたことがある話。だけどジャン・クロードの場合はそのさらに先があった。
バレるのも時間の問題なんだけど、彼は疑うヤツらを次々と…。そのジャン・クロードの様子があまりに静かで怖い。
何を考えてるかわからない人ってこんな感じだと思う。
落ち込んで内向的になるか自暴自棄で捌け口が外に向かうか。

「タイムアウト」を観た時に元の事件を知ったので結末はわかっていたが、あまりに淡々と残虐なことをやっていて恐ろしい。
いくら後に引けなくなったからといって…

その後の実際のジャン・クロードのことを調べてまた驚いた、というか意外だった。