無人の客室に忍び込む。静謐さとクリック音が気持ちいい。不在の人物についてナレーションの声は考察するが、部屋にあるのはリアルな痕跡ではなく、人生、共生、隔離の比喩としての小道具だ。そもそもこのナレーションと映像との不一致が時折見受けられるだけに、これは一体何を見せられているのか。
噛み合わないSiriとの話が出てくる。作られた部屋とSiriのように無感情な声がこしらえる、不在で不確かな人間たち。