盆栽

プラトーンの盆栽のレビュー・感想・評価

プラトーン(1986年製作の映画)
4.1
正義の暴走


オリヴァー・ストーン監督自身のベトナム戦争での経験を基にした自伝的映画。この時代のベトナム戦争を描いた作品(『ディア・ハンター』『地獄の黙示録』など)の中でも最もリアルで、「これがベトナム戦争なんだ」と虚無感に襲われるほど辛く、苦しい作品。

ストーン監督自身を思わせるクリス・テイラーが正義感を胸に歩兵師団に志願。そんな彼の正義感を狂わす2人の疑似的な"父"の存在が本作の魅力の一つ。ウィレム・デフォー演じる繊細なエリアス軍曹と、トム・べレンジャー演じる威圧的なバーンズ軍曹の対立と対照的な性格が『プラトーン』を戦争映画の中でも説得力のある作品にさせたと思います。

冒頭からラストまで、これ以上にないほど「正義ってなんだ?」の一言が相応しい力作。自分の中でベトナム戦争の概念が変わったような気がします。

主人公クリスを演じたチャーリー・シーン(子)と、『地獄の黙示録』で主人公ウィラードを演じたマーティン・シーン(父)が親子だということに1番驚きました。両作品とも同一人物が演じていると思っていたので…
盆栽

盆栽