盆栽さんの映画レビュー・感想・評価

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CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)

3.3

一度味わった快楽は忘れられない


 さすがにカオスすぎるギャスパー・ノエ監督作品。これは決して傑作でも駄作でもない。もはや『CLIMAX』という一種の評価。忘れられない映画体験であり、二度と味わいた
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テルマエ・ロマエ(2012年製作の映画)

3.5

風呂は全てを解決に導く


 阿部寛の一人芸が輝きすぎているコメディ作品。原作は未読なので比較等はできませんが、純粋に笑って楽しみながら観れたので満足です。こうして見ると日本人でも顔濃い人結構いるんだ
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ファイナル・デッドコースター(2006年製作の映画)

3.4

死の筋書きに抗え


 もはや単体として観ても問題ないシリーズ3作目。飛行機、高速道路ときて、今回はジェットコースターでの事故がオープニングアクトを務める。この事故は絶妙にリアルで、ハラハラする緊張感
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ブロークバック・マウンテン(2005年製作の映画)

3.7

叶わぬ愛の切なさ


 アン・リー監督による、人間の孤独や社会の抑圧がもたらす痛みを深く掘り下げた作品。ワイオミング州の広大で美しい自然を背景に、エニスとジャックの禁じられた愛を静謐かつ力強く描写した
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デッドコースター/ファイナル・デスティネーション2(2003年製作の映画)

3.1

鳴り止まない負の連鎖


 今度は高速道路での事故をきっかけに始まる死!死!死!避けられない恐怖と向き合うシリーズ2作目。前作の設定を活かしつつ、目新しいシークエンスを用意した決して悪くない続編。
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GO(2001年製作の映画)

3.6

若さの破壊力は桁違い


 日本人だ?在日だ?そんなこと関係ねぇよ!と言わんばかりにアッパーカットを披露するスタイリッシュ青春映画。窪塚洋介と柴咲コウの出世作といわれており、宮藤官九郎の初映画脚本作。
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グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024年製作の映画)

4.2

リドリー・スコットがメガホンを取り続ける限り、ローマに平穏はない

 
 『エイリアン』『ブレードランナー』に並ぶリドリー・スコット監督代表作『グラディエーター』の続編が遂に公開。監督はもちろんリドス
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スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

3.8

正義だけは隠さなくていい


 かなり衝撃的な実話。「まさか教会が!?」なんて思ってしまいますが、教会だからといって全てが正しいわけない。こぞって隠蔽しようとする様は社会も同じ。本作は、そのような巨大
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マイ・プライベート・アイダホ(1991年製作の映画)

3.5

孤独を抱えた旅路


 ガス・ヴァン・サント監督の詩的で寓話的な視点が光る作品。リヴァー・フェニックスが演じるマイクと、キアヌ・リーブスが演じるスコットという二人の若者が、彷徨いながらも自らの存在と向
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ローマ帝国の滅亡(1964年製作の映画)

3.6

ローマは滅ぶべくして滅んだのだ!!


 ローマ帝国の終末を描く歴史スペクタクル大作。時代背景も、ストーリーも『グラディエーター』と通ずるものがあったので続編に備え、予習としての鑑賞。300年も続いた
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.1

それでも生きていく


 孤独感、苦しみ、耐え難く見えない痛み。これらを深く深く掘り下げた、悩むべき映画。その圧倒的な説得力を最優先し、誰しもが持つ悲観的な旅路に乗り出す本作は、心に強く響くものがあり
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リボルバー(2005年製作の映画)

2.5

チェスは人生の教えとなる


 ガイ・リッチーとリュック・ベッソンが生み出した本作。正直、よく分からない映画でした。そもそもジャンルが何になるかさえ危うい。個人的にはクライムコメディとして捉えました。
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アッシャー家の崩壊(1948年製作の映画)

2.8

一族の闇を目撃せよ


 エドガー・アラン・ポー原作の純ホラー。低予算で静かな内容ではあるものの、じわじわと来る恐怖がたまらない。特に老婆のシーンは撮り方が秀逸なので、音楽無しでも恐ろしさが伝わります
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幻しの合唱(1935年製作の映画)

2.7

真実は闇の中


 作者の急死により、未完のまま終えた『エドウィン・ドルードの謎』を映像化した本作。原作では当然、犯人などが明かされないままだったのですが、映画でそんなことをするわけにはいかない。なの
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ファイナル・デスティネーション(2000年製作の映画)

3.4

死から逃れる術はない


 2000年代を代表するホラーシリーズ。奇跡的になのか偶然なのか、飛行機事故から逃れる事ができた数人。生きれる道を歩めたのも束の間、次々の生存者のみが「死」に襲われることに。
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ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2016年製作の映画)

3.5

世界最強のブラック企業なのかもしれない


 マクドナルドのフランチャイズ化に成功した実業家レイ・クロックの半生を描く本作。内容としてはかなり胸糞に近い部類に入るので好きにはなれないが、実際同じ事が起
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シャドー(1982年製作の映画)

3.4

消去法で残ったものが真実、、か


 ダリオ・アルジェント監督によるショッキングなサイコサスペンス。ホラーなのかなと期待してしまいましたが、ホラー味はかなり薄め。ですが、一定数の恐怖感は浴びることがで
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トランスポーター3 アンリミテッド(2008年製作の映画)

3.1

世界一アウディを乗りこなせる男


 安定のスタイリッシュなアクションを披露してくれるジェイソン・ステイサムに惚れ、唐突なロマンス要素に驚いたシリーズ3作目。車の運転でさえカッコいいのに、自転車に乗る
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奇妙な扉(1951年製作の映画)

3.3

"束縛"が行き着く先とは


 叔父がとんでもなくヤバいことしてるホラー。ゴシックの雰囲気と、人間のエゴを恐怖の象徴として見事に描写できている本作。恋に執着しすぎな叔父を面白おかしく思えてしまうのも、
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夕陽特急(1936年製作の映画)

3.5

憧れる夫婦像


 『影なき男』に次ぐシリーズ2作目。相変わらず相性が抜群のニック&ノラ夫妻は、本作でもシリアスな場を和ませてくれる愛すべきキャラ。どんなバディよりも好きになってしまいます。そしてアス
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ミッション:8ミニッツ(2011年製作の映画)

3.5

意外と8分は有効に使える


 ジェイク・ギレンホール主演のSFタイムリープ映画。与えられた"8分間"で正体不明の爆弾魔を見つけ出せ!というストーリー。非常にシンプルかつ90分の本編なので観やすいのが
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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.2

幻想は自らの産物


 今敏初監督作。海外からの評価も高く、個人的にも好きな映画作家のため、期待値爆上げ状態で鑑賞。結論としては、社会の闇にも触れつつ、現実と虚構を気持ち悪いぐらい融合させた傑作。ここ
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影なき男(1934年製作の映画)

3.4

事件には夫婦で挑む!


 ダシール・ハメット原作の推理映画シリーズ1作目。探偵夫婦のニックとノラの相性が抜群で、コミカルな笑いを提供してくれます。新婚ながら最高すぎる夫婦像です。

 失踪した父親か
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恐怖の報酬(1953年製作の映画)

4.0

この依頼、倫理観無さすぎる


 オリジナル版『恐怖の報酬』。ウィリアム・フリードキン監督によるリメイク版は鑑賞済みですが、オリジナルは初。ストーリーは一緒でもだいぶ違う点が多くて、違う作品として楽し
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ジュリアス・シーザー(1953年製作の映画)

3.0

「ブルータス、お前もか!」は言わずと知れた名言


 ジュリアス・シーザーとはどんな人だったのか。それがよく分かる歴史映画。ブルータスの演説はパワフルでカッコよかった。そう、主人公はシーザーではなくブ
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サウスパーク/無修正映画版(1999年製作の映画)

3.7

社会風刺 Lv.MAX


 タイトルだけは聞いたことがあったアニメシリーズの劇場版。噂通りの攻めに攻めた内容で、お子様は鑑賞禁止令必須の劇薬。ですが意外と教育映画でもあるから子供にも観せるべきか悩む
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ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷(2019年製作の映画)

1.8

これをビジネス化(殺人無し)したらヒットしそう


 謎のお化け屋敷を舞台にした破茶滅茶ホラー。掴みは良いけど、怖さもグロさも微妙で全体的に中途半端な印象を受けました。ストーリーはあって無いようなもの
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クレオパトラ(1934年製作の映画)

3.2

これがクレオパトラの生き方か


 セシル・B・デミル監督による煌びやかな伝記映画。今まで「クレオパトラ」のことは本でしか知識を得ていなかったので実際に映画として観るのは初めて。どこまで史実通りなのか
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デュエリスト/決闘者(1977年製作の映画)

3.5

執念と名誉の決闘


 リドリー・スコット監督の長編デビュー作で、人間の執着と矛盾に満ちた壮絶な物語。ナポレオン時代のフランスという厳格な階級社会と名誉を重んじる文化の中で、フェローとデュボールという
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スラムドッグス(2023年製作の映画)

2.5

犬もFワードを発する


 R指定犬映画。とにかく下品で不謹慎なジョークが止まらない本作。あまりにも度が過ぎているので不覚にも笑ってしまうシーンもありましたが、全体的にはあまりハマれない。不謹慎コメデ
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ディレクターズカット ブレードランナー 最終版(1992年製作の映画)

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 リドリー・スコット監督がようやく思い通りに作れたバージョン。やはりデッカードのナレーションは無い方が映像のインパクトをより強く受け止めることができる。ハードボイルド&フィルム・ノワール色を感じたい人>>続きを読む

アドレナリン:ハイ・ボルテージ(2009年製作の映画)

3.1

今度は充電かよ


 帰ってきた真面目バカ映画。前作はアドレナリンを出し続けないと死ぬ設定でしたが、今回は定期的に帯電しないと死ぬというもの。ここまで設定を振り切ってしまうと爆笑必須です。

 前作よ
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シャレード(1963年製作の映画)

3.6

洒脱な謎とロマンスの饗宴


見事なまでに洗練され、上品すぎる笑いに包まれたサスペンス・ロマンティックコメディ。オードリー・ヘプバーンとケーリー・グラントという二大スターが織りなす化学反応が意外なベス
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