盆栽さんの映画レビュー・感想・評価

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ウィッカーマン(2006年製作の映画)

2.6

ニコケイがサマーアイル卿に見えてくる…


 伝説の変態カルト映画『ウィッカーマン』がリメイク化。舞台はイギリスからアメリカへ変更され、主演はニコラス・ケイジ。ニコケイなら安心して楽しめそうにも思えま
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アバウト・ア・ボーイ(2002年製作の映画)

3.8

ダメな人生にも光はある


 ヒュー・グラント&ニコラス・ホルト(映画初出演)のヒューマンドラマ。今回もダメ男を演じるヒュー・グラントは安定の渋さとダラしなさで魅了し、ニコラス・ホルトの愛おしさがたま
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ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今(2025年製作の映画)

4.1

"幸せ"はいつも側に


 24年に及ぶ長期シリーズも遂にクライマックス。前作でこれ以上ない幸せを手にしたブリジットでしたが悲劇は消えない。本作はシリーズの中でも最も「生と死」についての物語であり、ど
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エレファント(2003年製作の映画)

4.1

説明できない暴力


 ガス・ヴァン・サント監督作品。学校という最も日常的な空間に潜む「異常」を静かに、鋭くえぐり出す本作。1999年のコロンバイン高校銃乱射事件をベースにしつつ、“なぜそんなことが起
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悪なき殺人(2019年製作の映画)

3.8

"悪"は全てに通じる


 チャプター形式で物語が進むと思いきや、全てが絶妙に絡み合うサスペンス映画。脚本の優秀さと、あまりにもリアルすぎる悲劇に衝撃を隠せない。サスペンスとしてかなり満足度の高い一作
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ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期(2016年製作の映画)

3.7

目指すは恋の最終着地点へ


 いよいよ大団円と言ってもいいレベルのシリーズ3作目。ヒュー・グラント演じるダニエルは今回登場しませんが、その代わりとしてパトリック・デンプシー演じるジャックが登場。『魔
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ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月(2004年製作の映画)

3.5

諦めない恋


 前作の良さを引き継ぎ、ホッコリ要素も満載なシリーズ2作目。ブリジットを中心とした三角関係も相変わらずで、恋の複雑さを改めて実感。素直でいることがベストだけど全てが上手くいくわけじゃな
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セッション デジタルリマスター(2014年製作の映画)

-

Dolby Atmosで観る"ラスト9分19秒"の狂気ヤバい…


 最後に観たのがかなり昔のことなのに、内容を鮮明に覚えている。つまり初見のインパクトが強すぎたということなので、映画として素晴らしい
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ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

4.2

時代遅れの探偵の孤独な別れ

 
 レイモンド・チャンドラーの同名小説を原作にしたネオ・ノワール作品。従来のフィルム・ノワールの様式美を踏襲しながらも、1970年代的なユルさと皮肉を織り交ぜている本作
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ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日(2013年製作の映画)

3.3

救いは懺悔のみ


 ハリウッド俳優達が実名で出演するおバカコメディ。セス・ローゲンが手がけるコメディは本当に頭を空っぽにしないと楽しめないので、本作も見事にそれを成し遂げています。くだらないコメディ
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(1949年製作の映画)

3.6

信じて、信じられる関係を


 嘘話をよくする少年が殺人現場を目撃。家族をはじめ、たくさんの人にその話をするものの誰一人として信じてくれない。真実を知るのは少年と観客のみ、という孤独感でさえ感じてしま
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タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら(2010年製作の映画)

3.6

自己肯定感を高めよう


 副題の通り、ヤバいレベルで運が悪い男たちのドタバタホラーコメディ。さすがに同情してしまう程なので、いつしか主人公達を応援してしまう始末。不謹慎な笑いも込みですが、程よいグロ
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隣人は静かに笑う(1999年製作の映画)

3.7

最悪な出会いは最悪な結末を呼ぶ


 ジェフ・ブリッジス&ティム・ロビンスによる胸糞サスペンス。日常に潜む恐怖と信頼の危うさを巧みに描いており、延々と続く緊張感が気味の悪い心理戦へと結びついていきます
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ナイル殺人事件(1978年製作の映画)

3.4

全ては愛のためさ


 ケネス・ブラナー版は鑑賞済みでしたが本作は初。レトロな雰囲気でナイル川を下り、ポアロが難事件に挑む。それだけでも満足してしまう一作。物語がどう展開されるかは分かっているのに、ま
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天国の門〈完全版〉(1980年製作の映画)

3.7

これが映画史に残る興行的大失敗作か


 マイケル・チミノ監督が『ディア・ハンター』の次に挑んだのは大規模な西部劇。19世紀に起きたジョンソン郡戦争に着想を得た作品でかなりディープな内容に胸を締め付け
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ミッキー17(2024年製作の映画)

3.3

"死"は一度だけでいい


 6年振りとなるポン・ジュノ監督最新作。完全なる英語作品で、もはや立派なハリウッド映画。物語の規模感はかなりレベルアップしたものの、社会風刺は過去作と比べると若干薄め。良く
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オクジャ okja(2017年製作の映画)

3.4

友情、資本主義、そして食肉産業のリアル


 無垢な少女と遺伝子操作された巨大なスーパーピッグの物語を描くポン・ジュノ監督作品。現代社会の闇を鋭く描き出す内容で、Netflix映画としての新たな可能性
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スノーピアサー(2013年製作の映画)

3.5

氷の檻に閉ざされた人類の縮図


 ポン・ジュノ監督作。凍りついた地球を走る列車という閉鎖社会を舞台に、階級格差と革命の代償を描くSFスリラー。露骨すぎる"下の者が上の者に立ち向かう姿"はまさに『パラ
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Flow(2024年製作の映画)

4.0

生命の調和


 セリフ無しの全編フルアニメーションで描く、猫とその他の動物達の物語。まるでゲームのようなアニメーションで観客を物語の世界観に連れ込む。この作りがあまりにも秀逸で、85分があっという間
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母なる証明(2009年製作の映画)

4.6

心が抉られる


 ポン・ジュノ監督によるヒューマンサスペンス作品。母性愛というテーマを極限まで研ぎ澄ませた心理ドラマでもあり、「母とは何か?」という問いを通じて、人間の倫理観を根底から揺さぶる。傑作
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ハイスクール・ミュージカル(2006年製作の映画)

4.0

青春最高!!


 ディズニー・チャンネルで放送された大人気ミュージカル1作目。まじでイケメンすぎるザック・エフロンと個人的に最近波がきてるヴァネッサ・ハジェンズの完璧すぎるデュエットが素晴らしい。全
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グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)

3.6

怪物よりも恐ろしい"何か"


 ポン・ジュノ監督が手がけた、ただのモンスター映画ではない異色のヒューマンドラマ。作中に登場する謎のモンスターは環境汚染や権力の欺瞞、そして無力な市民の苦悩を映し出す存
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映画検閲(2021年製作の映画)

3.0

この映画、問題ありです


 過激すぎる映画の事前検閲を行うイーニッド。とある一本のホラー映画に行方不明になった妹らしき姿を発見。彼女は本当の妹なのか、真実に近づこうと試みる内に抜け出せないほどの現実
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トラップ(2024年製作の映画)

3.4

怒りのバランス


 M・ナイト・シャマラン監督によるシンプルかつ容易なミステリースリラー。家族想いの良い父親と思いきや、実はヤバいサイコ野郎だった!?という、スタートラインから仕掛けにきている本作。
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スマイル2(2024年製作の映画)

3.5

笑顔の連鎖、再び


 衝撃のシリーズ2作目。前作の恐怖を継承しつつ、新たな角度から"笑顔"の不気味さを表現。同じストーリーラインにするような二番煎じ作品ではなく、設定を活かしたニューストーリーで挑ん
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ビーキーパー(2024年製作の映画)

3.6

やっぱキレた奴は誰にも止められない


 もはやジェイソン・ステイサム主演のアクション映画というだけで謎の安心感があります。今回もいつも通りのスタイリッシュに暴れるステイサム劇。楽しく観れるので、それ
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白夜 4K レストア版(1971年製作の映画)

3.7

愛とは希望なのか、幻想なのか


 ロベール・ブレッソン監督がまたもドストエフスキーの短編を映画化した本作。初めてブレッソンのカラー作品を観たので多少なり違和感ありながらも、映像表現は当然ロベール・ブ
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ロングレッグス(2024年製作の映画)

3.9

史上最恐のニコケイ、現る


 かなり楽しみにしていたホラー映画。『羊たちの沈黙』『セブン』『ゾディアック』などの大好きすぎるクライム要素を含ませつつ、ちゃんとホラーとしても成立している本作。そして何
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教皇選挙(2024年製作の映画)

3.5

神のみぞ知る結末


 リメイク版『西部戦線異常なし』のエドワード・ベルガー監督作品。数々の賞レースでも話題になり、満を持して日本公開。タイトル通り「教皇選挙(コンクラーベ)」を題材としており、やや日
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少女ムシェット(1967年製作の映画)

3.8

静かなる絶望

 
 ロベール・ブレッソン監督作品。わずか80分の短い上映時間の中で、社会の冷酷さと孤独に抗う少女の姿を圧倒的なリアリズムで描写する本作。言葉ではなく行動で語るブレッソンの毎度お馴染み
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バルタザールどこへ行く(1964年製作の映画)

3.7

出会いは別れを生む


 久しぶりに観るロベール・ブレッソン作品。少女マリーとロバのバルタザールの交流にフォーカスを当てた作品かと思いきや、バルタザールの眼差しに感情を揺さぶられる本作。人間の欲望、暴
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英国式庭園殺人事件(1982年製作の映画)

3.3

「理解するのではなく、目で楽しむ」

映像作品の本質を垣間見えた一作だったかもしれない。

2025.3.15 初鑑賞

夜の来訪者(2015年製作の映画)

3.6

これぞ脚本の力!


 イギリス流の上品なミステリー作品。とある女性の自殺が原因で顕になる人間の二面性が、優れた脚本によっ綺麗に描写。しかも本編も短い為、観やすさレベルが高いのも素晴らしい。

 派手
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