
東京の下町で暮らす 74歳の喜一郎と 62歳の妻・あかねは、静かに貧しい老後を送っていた。治療費で貯金を失い、社会からの冷遇と生活困窮の中で、「価値のない人間」とまで言われ絶望するふたり。最後の希望として、喜一郎とあかねは亡き父から受け継いだ猟銃を手に、富裕層の家を襲撃するが、計画は思わぬ惨劇へと変わる。逃亡の末に辿り着いたのは、かつての憩いの場所・銭湯。血まみれの身体を洗い流し、もう一度「人間」として戻ろうとするふたりだったが、運命は彼らに最後の選択を迫る ——。これは、“ 老い”と“ 怒り”と “愛 ”を抱えたふたり の、破滅と祈りの物語。
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