背骨さんの映画レビュー・感想・評価

背骨

背骨

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アイズ・オン・ユー(2023年製作の映画)

4.0

女優志望の主人公がデート番組でシリアルキラーと出会ってしまう物語… ではあるが、ストーリーは予想外の方向へ進み、凄まじいラストを迎える

虚実と時空を超えて被害女性たちが連帯していく見事な構成。初監督
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夜のまにまに(2023年製作の映画)

2.0

今年ワースト。主人公のわざとらしい演技も作り手のひとりよがりな展開にもずっとイライラ… 山本奈衣瑠さん以外はなにもいいと思わなかった

隣の男が途中でスマホイジり出したけど、なんとなくわかるような気が
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Pearl パール(2022年製作の映画)

4.0

映画スターを夢見てた無垢な女性がシリアルキラーへと変貌していく姿を描いた『X』の前日譚

抑圧された暮らしの中で表出していく彼女の中に眠っていた残虐性… ショービジネスの世界に孕む搾取構造… 鑑賞後前
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ブラックベリー(2023年製作の映画)

4.0

めっちゃアガる。でも終わりはせつない。スマートフォンの元祖ブラックベリーの発展と衰退を描いた物語

彼らが必死に働くのは世界一の電話を作っているから、それが楽しいから… のはずだった

さまざまな理由
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お坊さまと鉄砲(2023年製作の映画)

3.8

試写にて鑑賞。民主化を控え、初の選挙を前に戸惑うブータンの山村の人々となぜか二丁の銃を用意せよと弟子に伝える僧侶…

ユーモアをベースに時代の移り変わりを共に乗り越えようとする物語。穏やかな国民性が伺
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雨の中の慾情(2024年製作の映画)

3.5

ある漫画家の夢と現実を行き来する愛とエロスと暴力の物語

一人の男の叶わぬ夢と戦争の記憶、そして人間の醜さを詩的で重層的に描くような映画で、見終わった後、言葉にならない感情をズッシリと背負わされたよう
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正体(2024年製作の映画)

3.8

まだ実情がわかる前段階で、自分が知ってる一面だけを根拠に、鏑木を信じると言い張る吉岡里帆を容認出来るかがこの映画を好きになれるかの分岐点

後半無理矢理感動させにくるところも気になるけど、そのピュアさ
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Returner リターナー(2002年製作の映画)

3.8

山崎貴監督によるめっちゃE.T.でマトリックスな2002年製SFアクション

気になる金城武のたどたどしい日本語セリフも岸谷五朗のクセ強演技も後半のクライマックスの前では愛おしく感じるから不思議

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フード・インク ポスト・コロナ(2023年製作の映画)

4.0

試写にて鑑賞。極数社の巨大無国籍企業に牛耳られている食品システムにおいて起きている世界規模の重大な問題の数々… 環境破壊、労働者の搾取、超加工食品やゼロカロリー甘味料を原因とした健康被害… 地球と人間>>続きを読む

フィクショナル(2024年製作の映画)

3.2

手軽に稼げるからと深く考えずに引き受けてしまったフェイク動画編集のバイト。それがやがて世間を賑わし、自分の生活をも脅かしていく…

日常侵食系スリラー。今の世相を反映した内容を90年代邦画のルックで仕
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X エックス(2022年製作の映画)

3.5

老夫婦を騙して家を借り、ポルノを撮影していたミア・ゴス一味がとんでもない事に遭うスラッシャー

盛り上がりまで時間がかかるスローな展開だが、スイッチが入ってからは面白い。ババアが怖い映画にハズレなし
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

4.2

手に入れたベトナム戦争についての最高機密文書=通称「ペンタゴン・ペーパーズ」を報道するか否かに揺れるワシントン・ポスト内

政府との良好な関係性をとるか報道の自由を貫くか。勇気あるトップの決断に痺れる
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ドリーム・シナリオ(2023年製作の映画)

3.5

平凡な大学教授がなぜか大勢の人々の夢に現れ、最初は出てくるだけだったのが、徐々に性的な行動や暴力的な振る舞いをするようになり、その虚構が夢を見たもの、そして主人公の現実までも侵食していくというスリラー>>続きを読む

六人の嘘つきな大学生(2024年製作の映画)

3.8

まさかあのまま捻りもなく決まるとは思わなかったし、犯人の動機も幼稚すぎてまるで共感出来ないが、それさえ飲み込めれば楽しめるのかな…

とはいえ浜辺美波の魅力をあますところ撮ろうとする意思が全面に出てい
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地獄でも大丈夫(2022年製作の映画)

3.2

いじめを苦に自殺しようとしていた二人が、その前にいじめていたグループのリーダー格に仕返ししようとするも、そいつはソウルの新興宗教施設で見違えるような善人になっていた…

施設についてから展開が遅く、ク
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アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方(2024年製作の映画)

3.5

なにも知らない若造がビジネスで成功し、巨大な富を手に入れるまでの物語であり、彼に多大なる影響を与えた弁護士ロイ・コーンとの関係性を描いた物語

出会いから今日まで、トランプはロイ・コーンの教えを忠実に
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アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師(2024年製作の映画)

3.5

待望の上田慎一郎監督の新作。ルックがチープなところも多々あったし、まんまと騙されたー… とはではいかず、だいたい思った通りだったけど、監督らしく誠実な作りは気持ちよかった

最後に家族の話を入れてくる
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エリン・ブロコビッチ(2000年製作の映画)

4.2

無学で金もないシングルマザーが巨大悪徳企業に仕掛けた巨額の訴訟

誰からも信頼された事がない彼女が、地道な活動によって信頼を勝ち取り、ついには史上最高額の和解金を勝ち取る実話を元にしたストーリー。これ
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バクマン。(2015年製作の映画)

4.0

めちゃくちゃアツくなれる大好きな青春お仕事映画

好きな事を仕事にする喜びと苦しみ… どうしても敵わない王道に邪道で勝つ作戦… 走るペンの音… マンガで戦う映像表現

ジャンプ三原則「友情・努力・勝利
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グッドバイ、バッドマガジンズ(2022年製作の映画)

3.8

エロ雑誌編集部に配属された女性社員が、奮闘し成長しながらも衰退していく業界の渦へ飲み込まれていく物語…

時代の流れに逆らいながら生きる主人公が徐々に逞しくなっていく姿がカッコいい。ウェットになりすぎ
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アット・ザ・ベンチ(2024年製作の映画)

3.5

とある川沿いにあるベンチを舞台とした超豪華キャストによるオムニバス映画

会話が面白い岸井ゆきのEp.2と岩井俊二的切り返しなEp3、設定が絶妙な吉岡里帆のEp4が楽しめた

あくまでも習作という感じ
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矢野くんの普通の日々(2024年製作の映画)

3.5

眼帯を外した八木勇征くんがありえないほど美しすぎて驚く映画

自分のせいで好きな人を傷つけたくないと願う二人の奇跡のような普通の日々が眩しすぎた

お目当ての筒井あやめちゃんも意外と見せ場があり、上手
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グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024年製作の映画)

4.0

前作の復讐譚を踏襲しつつ、欲望と宿命の戦いへと昇華させた続編

マキシマス不在を埋めるデンゼル・ワシントンの圧倒的存在感とスペクタクルなシーンをサクッと見せる巨匠の貫禄。複雑さを増したストーリーは前作
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先生!口裂け女です!(2023年製作の映画)

3.5

口裂け女がワンインチパンチやチェーンパンチを繰り出す思ってたんと違う青春スプラッターアクション

この展開先が読めない… と思ってるうちに終わってました。こんなんでいいのかってところいっぱいあるけど、
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あたしの!(2024年製作の映画)

3.8

友情と恋の狭間で揺れる高校生たちを描いた青春映画

王道な作りだが、彼らの未熟さや小っ恥ずかしさ含めて全てが眩しい。渡邉美穂のハマりっぷりや齊藤なぎさの引き出しの多さ、演出や教室のレイアウト、画作り・
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ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)

3.8

孤独な犬とロボットの出会いと別れと、それから…

これはせつない… せつなすぎるけど、とても素敵な映画。セリフがない事で増幅される行き場のない感情がもう… これはもう竹内まりやの『駅』ですね。それぞれ
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ルート29(2024年製作の映画)

3.5

入院中の母親の元に子供を届けるシュールで夢のようなロードムービー

物語の推進力は弱いが、ショットの強度のおかげで見入ってしまう。二人以外はまるで死者の世界の案内人のようで、これはきっと孤独な二人にし
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本心(2024年製作の映画)

3.5

途中「え、何の話だっけ?」ってなるけど、散漫に見えるエピソードの数々も全ては人間の本心の話だと気づけば合点がいく

貧富の差が拡大した近未来ディストピア日本を舞台にした本心を売り買いするエピソードはか
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動物界(2023年製作の映画)

4.1

期待と想像を超えてくる秀作。人間が動物へと変異する奇病が蔓延する世界で描かれる差別と共生、そして、なにがあっても変わらない親子の愛と自由への渇望…

散りばめられた暗喩から読み取れる人間と社会が孕む功
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イマジナリー(2024年製作の映画)

3.5

引越し先で見つけたテディベアがイマジナリーフレンドとして幻想的猟奇世界へと誘うファンタジックホラー

現代の精神病理と古今東西に伝わる子供の行方不明話をミックスしたようなストーリーが面白い。怖さはほど
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アイミタガイ(2024年製作の映画)

4.0

アイミタガイ=相身互い。誰かを想ってした行動は巡り巡って見知らぬ誰かをも幸せにする…

劇中で語られる「悪い人が出てこない物語は嘘くさい」という説を軽々と越えてくる作品で、良い人しか出てこない清々しさ
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レッド・ワン(2024年製作の映画)

3.2

クリスマス直前にサンタが誘拐された?!

基本ロック様&クリエヴァによるバディアクションだが、ダメな父親が成長する物語でもあり、子どもだけでなく大人にもオススメしたいファミリー映画
一足早いクリスマス
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マッドマックス2(1981年製作の映画)

4.0

数多の亜流を生み出したディストピア映画の始祖とも言える作品

削ぎ落とされた世界でのヒューマンガスとの争いは神話的でありながら、現代の縮図のようでもある。理不尽な支配者からただ搾取されるだけの大衆にな
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十一人の賊軍(2024年製作の映画)

2.8

全くノレずに残念

山田孝之の役を主役にするには無理があるし、他の罪人たちが本気で戦おうとする動機づけも終始曖昧で、何度も小競り合いが繰り返されるばかりでとにかく長い。脚本の段階でうまく出来上がってい
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地獄のSE(2023年製作の映画)

2.0

なんだコレ。剥き出しの青春を殴り書きしたような右脳で作ったような左脳で作ったような映画

映画話法としても作為的で無茶苦茶だが、カッコつけたセリフはなんとなく気持ち悪くて良い。採点つけるのが難しい映画
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マッドマックス(1979年製作の映画)

3.8

狂った暴走族一味以上のマッドさで奴らを叩き潰す。偉大なる『2』や『デスロード』へと繋がる誕生前夜を思わせる全ての原点

B級映画のルックで描いた未来の神話。まだ世紀末感は弱いが、狂気のカーアクションを
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