背骨さんの映画レビュー・感想・評価

背骨

背骨

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素敵な歌と舟はゆく(1999年製作の映画)

3.2

パリに暮らすあらゆる階層の老若男女の日常が少しずつ交差していく群像劇

そこで起きる化学変化がパリという街の活気と彼らの人生に豊かさをもたらす… とでも言いたげな映画ではあるが、弱者が救われない内容で
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ゴジラVSメカゴジラ(1993年製作の映画)

3.0

「ゴジラを倒すためにメカゴジラを作るー!」というシンプルなストーリーが好感度高い。が、ムックリしたメカゴジラのデザインやゴジラザウルスのクオリティ、若手女優陣の演技が微妙で全体としての高評価は難しい。>>続きを読む

羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来(2025年製作の映画)

4.0

前作からだけど中国版ジブリな味わい。人間と妖精の共存と争いを単純な善悪構造では語らないところなどはもののけ姫っぽくもある

その中でもシャオヘイの純粋さがある意味での危うさとして物語を面白くしているし
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旅と日々(2025年製作の映画)

3.8

言葉を生業とする脚本家が言葉を忘れようと旅に出るが… というお話

異界へと誘うような展開がなんとなくつげ義春っぽいなと思ったらその通りだった。尻上がりに躍動感を増していくストーリーと登場人物たちに目
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金髪(2025年製作の映画)

3.5

面白い… というか興味深い。金髪の話というより、この国の未熟さ、異常さといい加減な国民の中で生きる事のやりきれなさを描いたコメディ

こういう作品今の日本にはあまりないと思うので良いのではないか。最後
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プレデター:バッドランド(2025年製作の映画)

3.5

さすがディズニーな優しい世界

一族の恥と呼ばれた半人前宇宙狩人と半身のアンドロイドによる「血よりも絆」な擬似家族ものはわかりやすく今っぽいし、ガジェットのビジュアルやアクションも見所たっぷりで万人に
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火の華(2024年製作の映画)

3.5

PKO派遣時、銃撃戦に巻き込まれ仲間が死亡。しかしその事件は国家に隠蔽され、男たちは復讐を誓う…

主人公の行動やストーリーの細部に物足りなさを感じつつも、よくぞこの規模でこの社会派作品をやりきったな
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KILL 超覚醒(2024年製作の映画)

3.5

松竹様からの招待でオンライン試写鑑賞

強盗団に狙われた列車の中で繰り広げられる新感染的バトルアクション

大作映画にありがちな一般人誰も傷つかず特殊部隊員が無双する… みたいな安易な展開にならない。
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ひとつの机、ふたつの制服(2024年製作の映画)

3.5

同じ机を共有する全日制生徒と夜間制生徒の交わるはずがなかった二人の友情と恋と秘めた想い…

置かれた境遇に嘆くのをやめ、自分の人生を踏み出す勇気を振り絞る彼女に勇気をもらう。誰もが通る道… 何もかもが
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ドリームズ(2025年製作の映画)

3.8

東京国際映画祭2025にて鑑賞

メキシコからの難民ダンサーと彼を支援する女性の恋愛物語、かと思いきや…

アメリカの難民政策をチラつかせながらも、描くのはあくまでも人間。あの後半の狂気じみたまさかの
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万事快調<オール・グリーンズ>(2026年製作の映画)

4.0

東京国際映画祭2025にて鑑賞

底辺工業高校の女子高生によるどん詰まり人生脱出のための犯罪計画

原作既読だったので、途中まではもっとポップな撮り方でも… と思っていたが、主演二人が予想以上にハマっ
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Mr.ノーバディ2(2025年製作の映画)

4.0

旅先で街を壊滅させる勢いで暴れまくるノーバディ。前作見てないから経歴がわからないけど、めっちゃ強くて運にも恵まれてるノーバディ、かと思ったら家族全員強いのかよ

ストーリー明快、キャラ&アクション最高
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ゴールド(2024年製作の映画)

3.8

自分たちなりの生活スタイルを見つけたかっただけなのに、職場の無神経で低俗な人たちに削られていく二人…

男らしさ、女らしさの呪縛が今でも残る現代で、あるがままに生きる事の難しさをリアルに描いた作品。映
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ローズ家~崖っぷちの夫婦~(2025年製作の映画)

3.8

既婚者が見たらゾッとするような夫婦あるあるなブラックユーモアの応酬で、キレの良い編集の中で進む主演二人による主導権争いが楽しくもあり、恐ろしくもあり…

酸いも甘いも噛み分ける大人な映画ファンにおすす
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愚か者の身分(2025年製作の映画)

3.8

闇バイト生活から抜け出そうとする若者を狙う悪い大人たちの策略…

訳あって裏街道を生きざるを得ない人間の哀しみとほんの少しの希望を描いた佳作。北村匠海はこういう少しグレてるくらいの役が一番似合うし、山
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フランケンシュタイン(2025年製作の映画)

3.5

欲求、責任、愛憎、赦し… 広い意味での父と子であり、異形論にして作品論

いかにもデル・トロらしいモチーフだなとは思っていたけど、想像以上に彼らしい優しさに溢れた「人間の不完全さを許容する」映画で、彼
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もののけ姫 4Kデジタルリマスター(1997年製作の映画)

4.5

人間と自然との共存というテーマに安易に答えを出さず(というか出せず)、作り手自身が苦悩し、立ち尽くす姿を曝け出しているところこそがこの映画の美点ではないだろうか

そこには階層、利害関係、同族同士の争
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ぼくらの居場所(2021年製作の映画)

4.2

貧困、虐待、ネグレクト… さまざまな事情を抱えた子どもたちが通う教育センター

彼らは何も悪くない。その哀しみを、大人の、社会の問題をドキュメンタリーのようなリアルさとフィクションの力を感じさせる構成
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きっと、それは愛じゃない(2022年製作の映画)

3.0

見合い結婚を決意した男性とその様子を撮影するドキュメンタリー監督の女性。二人は幼馴染…

文化や性別による違いを描くのかと思いきやそこはあっさりで、それだけは嫌だなぁと思っていた安易な着地に呆然

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ひゃくえむ。(2025年製作の映画)

4.5

才能と努力のさらに向こう側… 100mに魅せられた男たちの人生の物語

逃げ出したくなるようなプレッシャーに押しつぶされそうになりながらも、身体が欲する、魂がそこを求める

詩的で哲学的な言葉と饒舌な
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七人の侍 【新4Kリマスター版】(1954年製作の映画)

5.0

午前十時の映画祭にて新4Kリマスター版鑑賞

超胸熱。初見から楽しめる超エンタメ作品ながら観るほどにその凄さを感じさせられる歴史的名作

合戦シーンのスペクタクルはもちろんの事、志村喬の理想的リーダー
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モンテ・クリスト伯(2024年製作の映画)

3.8

招待され試写にて鑑賞

無実の罪で投獄された男が隠し財宝の在処を知り、それを元手に復讐… いや、彼なりの正義の執行を行う物語

周到で相手の内面から破壊するような壮大な復讐劇は、長尺だが捌きが上手くテ
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つぐみ(1990年製作の映画)

4.5

病弱に生まれたため甘やかされ、わがまま放題に育った少女の初恋と死生観…

市川準監督らしい淡々と静かな演出の元で炸裂する牧瀬里穂と中嶋朋子の魅力。二人が見せる憂いを帯びた鈍い輝きはまるで人間の生の儚さ
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ヒポクラテスの盲点(2025年製作の映画)

4.2

コロナワクチンとはなんだったのかを検証するドキュメンタリー

反ワクや陰謀論などとは違った視点から論文・データ・海外での検証・推奨派の意見までも含めたニュートラルな立ち位置から行われた検証で、少なくと
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ハウス・オブ・ダイナマイト(2025年製作の映画)

3.8

アメリカに向けて発射された核ミサイルと思われる飛行体。その時アメリカはどのような決断を下すのか…

世界一の核大国に戦争を仕掛ける国などないだろうという思い込みを逆手に取った設定と、刻一刻と迫る第一章
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フレイムユニオン 最強殺し屋伝説国岡[私闘編](2025年製作の映画)

3.5

ヘッポコ真中モラトリアム脱出のための壮大な親子喧嘩

しょうもなさで失笑しかない彼の生き方が、積み重ねてきたものの上に勝利の方程式を組み立てていく後半はアツい

阪元監督の王道な面が強く出た作品で、後
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佐藤さんと佐藤さん(2025年製作の映画)

3.8

試写にて鑑賞。うわぁ… これは胸が苦しい。あんなに好きだったのに、知らぬ間に心が離れていく… まさに日本版『マリッジ・ストーリー』

自分には男の方が悪いように見えたけど、そんな簡単な話では済まないと
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ジェイコブス・ラダー(1990年製作の映画)

3.5

ベトナム帰還兵の日常がやがて夢と現実が入り乱れる世界へと侵されていく…

徐々に混沌さと不穏さが増していくストーリーだが、ある種ミスリードにも見える序盤が、実は種明かしになっているという構成が上手い。
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

3.8

前作から驚くべき映像クオリティの進化。クオリッチ大佐との私怨の闘いと家族の物語へと変化したが、人間が極悪なところは健在

クジラっぽい生物の乱獲シーンなどは日本の捕鯨を標的にしてるのかとも思ったけど…
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爆弾(2025年製作の映画)

4.0

ワーナー・ブラザースに招待されジャパンプレミア舞台挨拶付き試写会にて鑑賞

予告編から予想していた密室劇ではなく、それより遥かにスケールがデカい犯罪サスペンス。この規模の映画が今の日本で作られた事を素
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風のマジム(2025年製作の映画)

4.0

沖縄の砂糖黍と人にこだわってラム酒作りの事業を立ち上げた女性の実話ベースのフィクション

彼女がなぜここまでこだわるのかを言葉ではなく状況設定で伝えるのが上手いし、素朴な作りと素直な展開も好印象

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アバター(2009年製作の映画)

4.0

新作前に初アバター。凄い、圧倒された。まさに完全なる人類侵略の歴史の映画化

ハイクオリティな映像はもちろん素晴らしいが、それ以上にこの題材をこの年代にハリウッドが手掛けた事に価値がある

プロット全
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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年製作の映画)

5.0

凄いものを見た… 人生とは何かを問うてる映画といえばこの映画になるのかもしれない

石油発掘で財を成した男の一代記だが、彼の欲望の源泉には触れられもしないし、気に入らないものを排除し続けた結果、何が残
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RED ROOMS レッドルームズ(2023年製作の映画)

3.5

正義か、狂気か、好奇心か… 3人の少女の命を奪った凶悪犯の裁判を執拗に追いかける一人の女性の物語

全く目的が見えない彼女の動向に最後まで惹きつけられ、その結末の前には呆然と立ち尽くすしかない

真相
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パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

3.5

精神不安定な男が新しい恋に出逢う最中、テレフォンセックス組織とのトラブルに巻き込まれていくラブコメ

アダム・サンドラーの繊細な演技が素晴らしいし、一見関係なさそうなエピソードが程よく共鳴し合う塩梅が
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ブラックバッグ(2025年製作の映画)

4.0

めっちゃオシャレ。油断すると置いていかれそうになる専門用語が多い大人のスパイ映画だが、一気に物語の全貌が見えてくる後半は圧巻

緻密に練られたプロット&センスしかない撮影に酔いしれる… てか撮影・編集
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