あつお

マイレージ、マイライフのあつおのネタバレレビュー・内容・結末

マイレージ、マイライフ(2009年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「人生の幸福とは」を改めて考えさせる話。
主人公のライアン・ビンガムは生粋の仕事人間。仕事だけでなく、その出張に伴って発生するマイルの上昇も、人生の目標としていた。夢の1000万マイルを達成すれば、最年少達成の名誉だけでなく、機長との面会、また機体に自身の名前を刻まれるという名誉を得られる。しかし、それは本当に人生において意味のあることなのだろか。ライアン自身、仕事においては、初対面の人を解雇する日々。物事の表層にしか触れない生活となっている。だが、一つの物事に集中して取り組んでこそ、見える世界もあるはず。リュックに詰め込める以外何も持たない。そんな身軽な人生も良いだろう。しかし、後には何も残らない。1000万マイルを手にしたところで、世界記録を達成したところで、誰もが羨む名誉を手にしたところで、その幸福は長くは続かない。それは樺沢紫苑さんの言う「ドーパミン的な幸福」なのだ。一度味わえばそれでは満足できず、さらなる刺激を求める。マウス実感でも明らかにされている、麻薬的な快楽なのだ。
ライアン自身も二人の女性との出会いにより、刹那的な行動は長期的な幸福をもたらさないと、気付いたのだろう。アレックスの元へ駆けつけるも、彼女自身が真の関係を望まないと知ると、心に穴が空いたかのような虚無感に苛まれる。その後、念願の1000万マイルを達成し機長と面会するも、心ここにあらずの状態。人間は何か一つのものに固執すると、視野が狭くなり長期的な幸福を見逃してしまうのだろうか。
自分自身、世間で成功と言われるものに振り回されず、自分の価値観に沿って、自分の軸に沿って、長期的な行動を心掛けたいと思った。
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