あつお

天気の子のあつおのネタバレレビュー・内容・結末

天気の子(2019年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます


愛の姿を描いた作品。
本作品は新海誠の作品らしく、繊細な描写と映像美によって形作られている。今回のテーマは「天気」であり、悪天候が続く東京で、天気を自在に操ることができる少女とその周囲の人物に焦点を当てた物語である。天気を操る力、具体的にはどんな悪天候でも晴れにできる能力は、使用者に犠牲を要求する。天気を晴れにするほど、彼女は自己の存在を失い、最終的には「消えて」しまうのだ。主人公・帆高は、愛する人を守るため、自ら天に挑み、陽菜を救う決意をする。しかし、このストーリーには個人的に違和感を感じる。アルマゲドンのように、自己犠牲によって愛する人を救うテーマとは異なり、本作では愛する人を守るために他者、すなわち人類を犠牲にしている。つまり、他者犠牲の道を選んでいる。映像美と大切な人に対する愛は美しいが、自分の願いを叶えるために他人を犠牲にすることが果たして正しいのか、という疑問が残る作品だった。他の人の考察を聞き、本作に対する理解を深めたい。
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