ぞしま

愛の勝利を ムッソリーニを愛した女のぞしまのレビュー・感想・評価

5.0
霧深い夜の庭で精神科医がイーダ(木登りから降りてくる)を説くシーンがすごく好きなのだが、ここで彼女は
私が死んだら、真実は闇に葬られる、だから叫ぶの、という。
この映画のすべてはこの台詞に凝縮されているともいえるが、
だが、それだけではない。
中心にシッカリした太い幹があるからこそなのだろうが、その枝葉の美しさにハッとすることしきり
差し込まれる一つ一つが文脈を脱しているような感じがいちいちよい。
情事の美しさ、煙突を背に花を横に決闘シーン、未来派のあの感じ、病院で見上げる映画、雪に手紙を撒く、総統のマネ、忘れがたい。

チャップリン観て泣いてるのはイーダだけではなく、みんな泣いてるんだ、なんて思っちまったな。
ぞしま

ぞしま