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愛の勝利を ムッソリーニを愛した女のadamのレビュー・感想・評価

4.6
ムッソリーニの愛人・イーダを、監督はヒーローだと言い切った。そう納得せざるを得ないのは、政治的な批判の意が表に描かれず、最後まで真実を訴え貫く、一人の女性の強い生き様がストーリーを成していたからだろう。こうした女性が存在した史実そのものがショッキングだが、それに負けない映像化の力。音楽や群衆の数など、スケールの大きさにも驚いたが、単なるドキュメントにさせない、画面の完成度に唸る。ムッソリーニ政権時の記録映像そのもの、も然り。イーダの死という事実をハッピーエンドに脚色しない点に好感を持った。政治的な思想は持っていないですが、こんなに時間を忘れさせるのは、彼の映画にしか出来ないのでは。圧巻の一本でした。
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