柏エシディシ

ロング・グッドバイの柏エシディシのレビュー・感想・評価

ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)
4.0
「ロバート・アルトマン傑作選」にて。
スクリーンでロンググッドバイ。超嬉しい。大好きな一本。
チャンドラー原作「長いお別れ」とはあまりに違う"コレジャナイ"フィリップ・マーロウに非難轟轟だった本作。
その当時の評価とは別にその後のカルト化も頷けるハリウッド随一のひねくれ者アルトマンの傑作。
「ビッグリボウスキ」「インヒアレントヴァイス」「ナイスガイズ!」「アンダーザシルバーレイク」に通じる、脱力系ハードボイルドの系譜。
ストイックでセンチメンタルな原作とは違う飄々としたエリオット・グールドのマーロー(字幕に準ずる)のなんとも言えないチャーム。
個人的には、未だ原作のマーロウを越える映画版マーロウはいないと思ってるのだけど、1番好きな映画版マーロウは、不思議とイメージに1番遠いグールド版マーローなのだ。
なにげに凄い撮影の映画でもあって、名匠ジグモンドのハリウッドの湿気と暗黒の中の光を捉えたカメラは匠の技。今回映画館で見れたのは眼福の限り。
名監督マーク・ライデル演じるギャングのボスが静かに怖い。そして可笑しいw
無名時代のシュワのモリモリ筋肉すらひと匙のユーモアとなる「全員脱げ」のくだり。アドリブなんだそうなw
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