ロング・グッドバイの作品情報・感想・評価

「ロング・グッドバイ」に投稿された感想・評価

nagarebosi

nagarebosiの感想・評価

4.5
70年代のカルト的な作品。
チャンドラーの原作を現代に翻案して作られた本作は公開時、否定的な意見が多かったそうだが、私はこの作品、大好きです。
チャンドラーは未読で(当時はハメットのほうが読みやすかったので)詳しくは分らないが映画としては良いと思う。
監督のアルトマンはじめカウンターカルチャーな人達が体制側のハリウッドを皮肉った感じも好い。
主役のマーロウが、全然イケメンでもないしホームズのような名推理を披露するわけでもなく腕っぷしも強くもないけど、それでもカッコよく見えるのがスゴイ、常にタバコを吸うのも◎(シケモクでも吸うのがいいんです)。
「it's ok with me(まあ いいけど)」このセリフ、私も真似したい。
名手ヴィルモスジグモンドの、たゆたうような撮影、特に窓ガラスに反射する浜辺のマーロウと室内での夫婦の言い争いのシーンなどは見事。
音楽もいろんなアレンジでメインテーマを聞かせるワザもすごい。
そりゃ松田優作も惚れるだろうし「カウボーイ・ビバップ」にも影響あたえるよ、ってぐらい軽妙洒脱な感覚。ニューシネマ的なんですよね。
オープニングの猫と、クライマックスの射殺シーンでこの作品は一目惚れでした。
何も特別な能力はない中で、どんな相手にも軽口叩いていくマーロウがかっこいい。音楽も映像もファッションも全部スタイリッシュ。
ただ原作信者としては名セリフや名シーンがなくて残念。ほとんど別物として楽しむべき。
テリーがあんなやつだったら最後はああなるわな。スカッとした
トパ

トパの感想・評価

-
テリー・レノックスが死んだ。妻を撲殺し、拳銃で自殺したという。古い友達だった。大金の行方。女の愛情。私立探偵のフィリップ・マーロウが引き受けた仕事は、テリーの死の真相に繋がっていく。長いお別れ。毎日どこかで起きていること。
マーロウをエリオット・グールドが演じ、レイモンド・チャンドラーの小説を映画化。原作は1953年刊行、物語も当時のアメリカを舞台にしているが、映画は制作された70年代に内容をアレンジしている。「まあいいけど」が口癖のマーロウを始め、人物描写が素晴らしい。ジョン・ウィリアムズの音楽も良い。
なるほど、ねこだけは縦移動を常に備えている(縦に移動するいぬは今のところウォルシュのハイ・シエラで山の斜面を上り下りするやつくらいしか見てない)。さらにいぬとは違い、起点だけでなく指向すら霧散する。
いぬで注目すべきは、海と絡まり合うシーンの強度だろう。画面の奥で荒れる波に翻弄される人間との対比も素晴らしい。しかも遺品の杖さえ拾ってくる。
主人公がメキシコを訪れるときには、交尾するいぬにズームアップしていく。ここでいぬが吠えることによってカットが終わる。タイミングがいぬによって定められる。

この映画は、嘘により進行し、そして締められる。そもそもが向かいに住む女たちの身体と意識のように、揺れ動いていた。主人公は質問に対しおどけ続け答えようとせず、たばこの煙は次々消えていき、事故によって揺らされる頭、吹けないはずのハーモニカで物語から去っていく。
ねこが出てったことも帰ってこないこともまじでわかんない。

このレビューはネタバレを含みます

ハードボイルドってのはダンディの中の一つだって風に解釈してる。
つまりは服装だよね。心のあり方を服装に閉じ込めたのがダンディであって、ハードボイルドはそこにあるジャンルの内の一つなんでしょう。
そう考えると服を頑なに脱がないマーロウの向かいに住む住人がほぼ全裸ってのが面白く思えてくる。
思想が少し違えば人は隣人や友人ですら同じ人間であることを忘れてしまう。だから殺人なんか起きるわけで。
ただなんでマーロウは最後に撃ったんですかねー。服を着替えさせられたからか?
ロング・グッドバイってのはテリーとの別れじゃなくて、今までの自分との別れのように感じたよワシは。
まあ詳しい奴に話聞いたら多分あと0.5評価上がります。
猫可愛かったです。
見終わって、完全においていかれた感があったので、それでびっくりしました。

1974年公開のロバート・アルトマン監督の、西海岸を舞台とした、ちょっと悪いひと達が出てくる作品として見た方が良いようです。

未消化感があったので、絶賛していた菊地成孔さんのネットコメントを読んでみたところ、やはり推理ドラマや謎解きをしてはだめ、だそう。
何それ?という破滅的センス映画ですので、私にはそのセンスがないのがわかりました。

誰が殺したのか、を気にしてミステリーやサスペンスとして見ていると失敗作にしか思えません。

チャンドラーの原作や、村上春樹翻訳は、別ものとしてぜひとも読んでみたいところです。
吹き替えなし。ながら見不可。アクションのジャンルに振り分けられてはいたが話が大変入り組んでるのでじっくり見なあかんやつ。
Mayashico

Mayashicoの感想・評価

4.0
マーロウのつぶやきが渋い。
隣人のヒッピーたち謎すぎる…。
ジョン・ウィリアムズのスコアもおしゃれ。
シズヲ

シズヲの感想・評価

3.8
ハードボイルド探偵モノ、原作小説は未読なのであくまで映画単体の評価。とにかく作中に漂うクールな雰囲気に酔いしれる。70年代の情緒に溢れた空気、洒落たBGM、海辺の邸宅などムード漂う絵面……全編に渡って渋い世界観が展開されていて堪らない。自分の好きなアニメ『カウボーイビバップ』の監督が影響を受けた映画の一つに本作を挙げていたのも納得してしまう。

フィリップ・マーローのキャラクター性が実に魅力的で、本作の雰囲気の骨子を作り上げている。ハードボイルドでかっこいいんだけど、決してスマートという訳ではないのが面白い。何処かだらしなくて、飄々と振る舞っていて、しかし確固たる芯は通っているという人物像にグッと来る。不安定な関係の小説家夫妻、猟奇性を垣間見せるギャングのボスなど、周囲を取り巻く脇役も印象に残る。謎のヨガ集団に物真似大好き警備員といった話的にどうでもいい面々も妙な存在感があるから笑う。

大筋と平行した事件に関わっていく中で、じわじわと真相へ近づいていく流れは面白い。ただ、綿密と呼ぶには結構おおらかな展開で進んでいく印象。猫の失踪やハーモニカを渡した男など、意味深な割に結局大して意味の無い下りもちらほら見受けられる。それでも雰囲気の秀逸さのおかげで「まあこれはこれでいいのかな」と思えちゃうから憎めない。
okapy

okapyの感想・評価

4.5
夜に観てよかった。体調さえよければ酒飲みながらでも観たかった。原作に忠実じゃなくてもこれはこれでええんとちゃいまっかね。あ、初アルトマンでした。
>|