足立祐之

ロング・グッドバイの足立祐之のネタバレレビュー・内容・結末

ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

これは傑作です。
村上春樹さんの翻訳をセットで、ついでにマティーニもセットで耽読して欲しい。
本作の特徴は、傑作を作ろうと気合い入れて作ってないが、化学反応を起こし、傑作になってしまった傑作と言うジャンルに入ります。
主演のエリオット・グールドの抜け感がいい。
設定の猫好き、隣のニューエイジ&レズ集団と言うセットも抜け感がある、原作も猫好きだが、書かれたのは戦前なので、あんな奇天烈な隣人はいない。ただ、映画製作したのは、70年代だ。うまいアレンジである。
もともと、チャンドラーの世界観はマーロウを都市の中のダークナイト的な役割を貸している。現代のアメリカ西海岸で倫理を貫くとどうなるのか、と言うモチーフがある。それをアルトマンと脚本家は上手く増幅させている。
オチも原作と違い、あっさり、友人を射殺する。
そこには、チャンドラーの時代ならカッコいいダンディズムが現代では、シラける。殺したのも、深い意味はない。ただダンディは時代遅れさ、カッコ悪いよ、と言うメッセージが、ラスト改編したと思います。アルトマン先生に聞きたい。当時のアルトマン作品はあっさりと主要人物が死ぬことが多い。
足立祐之

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