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ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間のAKのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

2015年に削除シーン集が公開された。その長さ実に100分。つまり本公開バージョンは、実は半分ほどでしかない。思わず黒澤明『白痴』を想起せずにはいられない。

TV版ツインピークスは、コメディの要素を多分に含んでいる。だからこそ猟奇殺人モノにも関わらず広範な支持率を得ることができた。しかし本映画版はそのようなシーンを全て削ってしまった。

「誰がローラ・パーマーを殺したのか?」という謎がテレビ版最大の求心力であったわけで、それが最初から解かれた状態であることもまた大きい。

ミステリー要素とユーモラスなシーンを排したツインピークス。それはつまりレッドルームとブラックロッジの支配する裏世界。希釈されない濃縮版リンチ汁。

TV版を観てない人間が拒否反応を示すのは当たり前だろう。それはタバコを吸ったことのない肺にマリファナの煙を落とすようなものだ。
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