
将来が見えず、今の自分にどこか納得できないまま長崎・佐世保市の実家で暮らす22歳の伊呂波(いろは)。 ある日、5年ぶりに姉・花蓮が帰ってくる。自由奔放で恋愛体質、いつも大胆に人生を選んできた姉。しかし彼女が抱えていたのは、「妊娠した。でも父親が誰かわからない」という現実だった。心当たりは三人の男たち。自意識過剰な御曹司、バツ2のワケアリおじさん、借金を抱えた大学生5年生。どの関係にも“愛”とは言い切れない曖昧さが残っている。半ば強引に父親探しへ同行させられた伊呂波は、姉とともに長崎の各地を巡る旅に出る。 なぜ姉は、傷つくと分かっている恋を繰り返してしまうのか。旅のなかで伊呂波は、恋愛の裏側にある孤独と承認欲求、そして強く見えていた姉の本当の姿を知っていく。そして、男性に会うにつれ、伊呂波が抱える劣等感も浮き彫りになっていき――