EDDIE

大統領の陰謀のEDDIEのレビュー・感想・評価

大統領の陰謀(1976年製作の映画)
3.8
午前十時の映画祭9にて鑑賞。
ウォーターゲート事件の真相を暴くために奔走した2名の若手記者の物語。結果的に第37代アメリカ合衆国大統領リチャード・ニクソンを辞任へと追い込みました。

正直予備知識なく観ると、様々な登場人物が代わる代わる出てくるし、専門用語も出てくるしで混乱します。
ただ根本としては、ウォーターゲート事件の被疑者5名の全貌を暴くために、ワシントンポスト紙記者が「真実」を追い求める姿に焦点が当てられているので、最後までハラハラと食いついて観ることができます。
1976年公開とのことで、ダスティン・ホフマンもロバート・レッドフォードも若いですよね。
ウッドフォード記者を演じるレッドフォードに至っては、入社9ヶ月の新米記者の役ですからね。彼の迫真の演技には持っていかれました。
そして、バーンスタイン記者を演じるホフマン。私の知る老獪なホフマンの姿はそこにはなく、チェーンスモーカーばりにタバコを吸い続けるフワッフワな髪をなびかせたイケメン記者でした。若かりし頃はやはりイケメンだったんですな。

事件のことを詳しくは知らなくとも、この社会派サスペンスにのめり込めたのはこの2人の記者の懸命さにあったと思います。
大した実績もない中、とんでもないスクープの予感を秘めた一大事件の担当に抜擢された2人は張り切らないわけがありません。
とにかく寝る間も惜しまず、政治家、弁護士、関係者各位ととにかく足で稼ぐとばかりに取材を試みます。謎の人物ディープ・スロートからも情報を引き出し、ついに自分たちの記事が一面に!と思いきや、抗議電話が殺到し、上司に一喝。
ただこの後がめちゃくちゃいい。最初は2人の実力に懐疑的ながらも熱意に押された上司のブラッドリーを演じるジェイソン・ロバーズ。彼の演技がかなり印象的でした。
この抗議殺到記事が出た後もこの若手記者2人、つまり部下のことを信じたんですよね。そして、その心情には憲法にある報道の自由に則って。次ダメやったらホントに怒るからな、プンプンみたいなコメントも、2人が命がけで裏を取ってきて記事の準備ができたときの労い方も、こんな上司ついていきたくなるやん!みたいな。
アカデミー賞助演男優賞にも輝いてるんですね。いやぁ納得の演技でした。

タイプライターで事件の前後を伝える演出もGOODでした。
もっと事件のことを知った上で、もっと理解が追いつけばスコアも上がると思います。とりあえず自分の知識不足と現段階の評価ということで3.8にしました。
EDDIE

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