この映画にあるのは不幸をこれでもかと背負う16歳の女性の物語。
その割に淡々とした演出が、ことさら不幸を強調しない作りになっている。
とはいって間違えても、この映画を見て勇気をもらえるなどとは思えない。
それは不幸すぎて物語を作り過ぎているなと感じてしまったから。
実際には確かにこんな子供がいるとは思うが、その不幸を延々と見せ付けられるというのはあまりいい気分ではない。
結局は見る側の状態と、悪くない役者の演技こそ見せ物だ。
モニークの怪物的演技や、体格とは裏腹な16歳ガボレイ・シディベもいい。
ただ一番最後まで引っかかったのは、あの家庭環境でプレシャスがなぜ肥満なのかだ。
生活保護を受けなければならないほどの貧乏であるならば、食べるものにも不自由したはずだが、そこは役者に当てはめたからということか。