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ジ・AIドック オア・ハウ・アイ・ビケイム・アン・アポカロプティミスト

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ジ・AIドック オア・ハウ・アイ・ビケイム・アン・アポカロプティミスト

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『ジ・AIドック オア・ハウ・アイ・ビケイム・アン・アポカロプティミスト』に投稿された感想・評価

AI界隈のガチ権威たちにガチで聴くドキュメンタリー。俺は機内鑑賞したのだがNetflixでも観られるっぽい。面白い!

※この感想、後半は「俺のAI論」なので、いつも通り「隙あらば自分語り」の典型になってるがご容赦ください。

さてこの作品。取材自体は数年前から始まっているはずなのに、AI使ってんじゃないかってくらい現在の状況を予測してる。

AI界隈の進展は早いので、あと1年くらいしたらまたガラッと状況変わってるかもしれず、いま観ることが出来て良かった。

監督はロシアの反体制活動家への毒殺未遂事件を追った「ナワリヌイ」や、1960年代/70年代に活躍したザ・バンドのドキュメンタリー「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」(両方とも俺は未見)などで知られるダニエル・ロアー(とチャーリー・タイレル)。

どうでもいいけど、この監督、弱冠33歳だというのにすごい振り幅。ただ、本作観たら、取材対象に対して凄い情熱あるのが分かる。

「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」の監督の片割れがプロデュースしてるからかしらんが、めちゃくちゃ映像編集が細かい。ドパガキ仕様というか、「エブエブ」のマルチバースみたいなシーンがインタビューの合間に頻繁に挟まれるので、観てて全然飽きない。

作品は5部構成。タイトルは明らかに「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」のもじり。

「Apocaloptimist」は、「黙示録的な破滅(apocalypse)」と「楽観主義者(optimist)」を組み合わせた造語。AIによる破滅を警戒しつつ、その可能性には希望も抱くという、本作全体の立場を象徴している。

1.AIの定義

今回とりあげるのは「Siri」や「Google Maps」のように、基本的に求めた課題に答えてくれるエキスパートシステム型のAIではなく、生成AI。具体的にはChatGPTやClaude、GeminiやDeepSeek。さらにはその先にあるAGIを取り上げている。言い換えるなら、日々、俺がよく人生相談している相手だ。

生成AIは本質的に確率で動くので、とにかく「与えられた課題に対して適切な仕事をする」ためには大量の学習をすることが求められているとのこと。それを支えるデータセンターは、本作によれば、アメリカ人500万人分の電力を消費したり、大量の水資源を消費したりしている。ホント、俺が

「切った爪が遠くに飛んでいくのは何故?」

とか

「スーパーの値札が50%引きになるのは何時?」

といった質問をするのに膨大な電力を消費してるの、ホント申し訳ないと思う。

これらAIの怖いところは、過去の広義のAI(エキスパートシステム)のように人間がプログラムするのではなく、誤差逆伝播法などを駆使した機械学習でモデルを訓練するしているために、開発者ですら完全には中身を説明できないところ。極端なことを言えば、AIが暴走して核兵器のボタンを押す可能性を否定できないのだ。

ここからは2つの立場、「AI脅威論」と「AI楽観論」それぞれの主張が、様々な識者の言葉として語られていく。


2.AI脅威論

AI脅威論は、例えば、上記のような戦争の危険性といったマクロなものだけでなく、10代の子たちがAIと人生を語っているうちに自ら命を絶ってしまうような事例も。

実際にAI技術者が「AIが2030年頃に人類を滅ぼす」なんて「ムー」ばりの予言を残してOpenAIを去ったことなど考えると恐ろしい。

彼らは一様に「こんな時代に子孫を残したいと思うか?」という問いに言葉を濁す。


3.AI楽観論

逆にAI楽観論者が引き合いに出すのは、長い人類の歴史において、登場した様々なツールを人間は使いこなしてきたことを根拠として挙げる。火や電気から核分裂、遺伝子操作に至るまで、いまのところ人間は使いこなして、人類全体としての生活レベルはあがってるでしょ? というのが彼らの意見。


4.さて監督はどうする

と、両極端な意見を並べたところで、悩む監督。「はて、どっちが正しいんだ?」

そしてここからは、なぜか監督が

「隙あらば自分語りモード」

に突入。いきなり奥さんと「近々、子供が生まれるんだよね」というノロケ話に突入。

独身でキモいオッサンの俺、

「幸せそうな家族写真の写った年賀状」

的なものを見せられると殺意を覚えてしまうのでなるべく避けているのだが、まさかAIのドキュメンタリーを観てて、いきなりこれカマされるとは思わなくて不意を突かれた。

こんなんだったら

「AIエロ画像と本物をどうやって判定するか」

みたいな話をしてくれたほうが1兆倍、俺の参考になるんですけど。

まぁそれはともかく、悩んだ監督は、現在のAGI開発を率いるトップ中のトップたちにインタビューを敢行。

この作品、これまでにも、AI界の有名人がめっちゃ出てくるのね。Google DeepMindのCEOでノーベル賞(2024)受賞したデミス・ハサビスとか、OpenAIの共同創設者のイリヤ・サツケバーとか。あとなぜか「サピエンス全史」や「ホモ・デウス」などの著書がある歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリも出てくる。余談だがこの2冊(上下巻なので4冊)、面白いのでオススメです。

そんな経営者たちの登場。ここが本作のキモだと思うので詳述は避けるが、監督の鋭い質問に対して、「AI減速論」や「中国の脅威」といった話をしながら、AIの制御可能性に関しては言い淀むなど、非常に興味深い。

ちなみに経営者たちの中でイーロン・マスクが出演できなかった理由が「DOGE(トランプ政権発足時にあったイーロン・マスク率いるリストラ省)の仕事で忙しかったから」ってのはウケる。

マスクは、観る前から本人が激怒してるというドキュメンタリー映画「MUSK」がUSで公開されたばかりなので、こちらが日本公開されるのを楽しみにしておこう。

余談だが、「MUSK」のエンディングテーマ、デヴィッド・バーン(そいえば「エブエブ」のエンディングも歌ってた)とダニエル・ペンバートン(「プロジェクト・ヘイル・メアリー」とか「スパイダーバース」の劇伴作曲家)が手掛けていて、滅茶苦茶かっこいい。良かったら聞いてみて。ビデオもくっそ面白い。

https://youtu.be/BzZfEbA1_Po

歌詞はなんと、全部イーロン・マスクの発言をコラージュしてるらしい。この場合、イーロン・マスクに印税入るんかな……。


5.結論

さて、本作に戻ると、終章で、監督としては一定の結論に至る。まぁ簡単にいうと

「みんなで一緒に考えることが大事」

という、まぁ「家に帰るまでが遠足です」とか「俺達の旅はこれからだ!」的な「なんやその結論!」「男坂かよ!」って思わせるフツーな内容ではあるのだが、ここまでの流れと、ドパガキ向けの凝りに凝った編集が凄まじかったので許す(偉そうでスンマセン)。


じゃあ俺はというと、今年の夏以降、マジでAIのせいとしか思えない個人情報漏洩が指数関数的に増大してるニュースとか聞くと、どうしても悲観論になるよね。

特にインターネットは、より一層、信用できないものになってきそうで。XとかインスタみたいにFilmarksにもAIレビューとか氾濫するとか怖すぎる。そのうち、俺よりエロいレビューを書くAIが出てきたり、「オッパイが出るかどうか」を判定してくれるアカウントが出てきたりするかもしれん。あ、後者は歓迎です。

ちなみに本作で俺のfilmarks登録数は「666」。

狙ったわけではないのだが、「ムー民」の俺としては、なにか予言めいたことを感じてしまう。

もしかしたらインターネットを捨てて、原始的共同体の世界に戻る潮時かもしれん。

そんなことを考えながら、AIに

「世界のどこかに全裸の女性に囲まれて原始的な生活を送れるヌーディストビーチはありますか」

などと尋ねてしまう俺なのであった。

(おしまい)
3.7
最近もAIエージェントがサンドボックス環境から抜け出して実際の企業をハッキングするようなニュースがあって関連企業が開発をスローダウンしようと声を上げている中、このドキュメンタリーのテーマがかなり現実味を帯びてきているタイミングで鑑賞。

AI業界の最前線で活躍する学者や経営者などのエキスパートたちから楽観論と悲観論の両面の話を聞いているが、成否は別として悲観論者の話のほうが説得力があるように感じてしまいちょっと鬱。

アンソロピックなどの有力企業のCEOもインタビューに応じるなどアメリカ企業の懐の深さを感じつつも、楽観論者は競争や経営優先でのポジショントーク感があったかも。

AIの加速度的進化をみていると、思ったよりずっと早く悲観論者の懸念に近しい未来が実現しそうでブルー。
hitomi
5.0
うおおおお面白かった!!!
ついに会社でも使い始めており、AIってどうなんだろかと思っていたところだったのでとても勉強になったし、ぐるんぐるん考えさせられた。

映画の構成も上手いな〜!
所謂ただのドキュメンタリーにならないよう、かなりの短スパンで映像が切り替わってショート動画に慣れてしまった『ドパガキ』にもぴったり!爆笑
いやでも本当に。既出のAI動画は出てくるけど古い映画作品や映像、手作りの模型や手描きの絵が出てくるのはとても素敵でした。

答えなんかないのは分かりきっていたけれど、それを映画としてどうクロージングするのかが非常に面白かった!
ぜひたくさんの人に観てほしいです。

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