はる

蛇のひとのはるのネタバレレビュー・内容・結末

蛇のひと(2010年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

あらすじ
主人公・陽子(永作博美)の会社で、突然ある朝伊東部長(國村隼)が自殺したという知らせがくる。また、それと同時に陽子が仕事上、最も密に過ごしていた今西(西島秀俊)が行方不明だという。陽子は部長の葬儀の数日後、副社長から呼び出されると、今西が1億円横領した疑惑、またその証拠を伊東部長が握っていたと話を聞かされ、今西を探し出してほしいと言われた。仕方なく引き受けた陽子だが、今西とは仕事では関わりが深かったのに、プライベートのことを何も知らないのだ、と思わされた。本当は横領していたのは部長で、部長が今西に濡れ衣を着せていたこと、それを知った上で今西は部長のことを許して姿を消したこと、部長が罪に耐えられずに自ら命を絶ったことが判明する。けれども、今西の捜索は続く。途中から後輩の田中(田中圭)も加わり、今西と過去に繋がりのあった人達へ会っていくと、自分たちの知らなかった今西の人間像が浮かんでくる。誰もが今西のおかげだ、と感謝しているのに、その人たち全てが現在幸せになっていないことへ陽子はどんどん疑念を膨らましていく。やがて、今西の本質を見抜く、とある過去を知る人物と出会い、どうして今の今西があるのか、やっと分かった陽子。しかし、陽子がもしかしたら今西がいるかもしれない、と思った所には既に今西はいて、陽子の彼氏の仕事場で馴染んでいた。東京に戻ろうと誘う陽子だが、自分は殺人犯なんだ、と断る今西。それでは私が見張ります、と言った陽子の言葉に何かが動いた今西だったが、自殺をしようとしていた。寸前で留まったが、その後今西がどうなったかは明かされない。
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蛇、とは人の心の奥底に潜む、非道徳的な感情を指しているとは始めのうちには分からなかったので、明かされた時なるほど、と感心しました。結局、部長の罪を代わりに被りながら全く部長を責めなかったことは、部長を追い詰めて死に追いやったし、今西と関わった人は誰も幸せになれていない。誰にでも人への妬みのような黒いきもちはあるにしても、全員に思わないし、今西は相当な量を抱えていたのだ、と思いました。(わざと皆を不幸せにするから)今西は最後自殺したのではないかと思います。 自分自身のことを少年期から許していなかったし。人の本質というのは、どんなに長い付き合いだとしても計り知れないのだ、と思わされました。
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