さーやorべりす

蛇のひとのさーやorべりすのレビュー・感想・評価

蛇のひと(2010年製作の映画)
3.4
暗いけどこういうお話好きです。


自分の会社の上司(課長以上)が自殺して、課長の西島さんが会社に来ておらず行方不明になった。更に西島さんが会社のお金を横領しているかもと聞き、主人公は西島さんを探しながら真実に近づいていく話。


以下ネタバレ的な感想。

西島さんがおめかけさんの子で、でも才能があったからこそいじめにあったんだよね?
なんか愛人の子で梨園に入ったりとか、俳優さんのエピソードで見かけたのでそういう世界では珍しいことではないのかもしれないなーと。

この話のゾッとするところは「とてもいい人であると見せかけながらうまいこと人を不幸にしていこうとしてそれが成功すること」であると思う。
例えばA君が万引きしてそれを自供仕掛けたとき僕が黙っていればAくんの親も苦しまないよ的な優しいことを言ってその場は感謝され、その後A君は万引きをやめることができずプロの泥棒になって捕まり家族とも絶縁するみたいなw
西島さんが悪いということには絶対ならない、世間から見ればちっぽけなことかもしれない。けど西島さんはこの結末が見えた上で優しいことを言ったりしているって感じの実績例を見ていくお話でした。
この「結末を想像して優しい声をかけていく」ことがゾッとします。多分、SNSでバズったサイコパス診断受けたらサイコパスって出るタイプですww
主人公の関西への旅費かけて探しに行くのとかは経費ですかね?経費じゃなかったらちょっとやり過ぎで本当にただの部下?って感じだけどw会社から命じられてるし、わざわざ探すように頼んだ主人公に対して田中圭さんに「西島さんの経理も怪しいから主人公見張れ」って命を出すような会社なんで必死だから旅費出るかなんてこと考えたりw
家庭環境違えばまた違う人格だったかもしれないなと感じた。
自分でも「めかけのこに生まれたくて生まれたんじゃない」ってあんな小さい頃から言ったり天涯孤独と言ったり愛人の子だと言ったり、かなりコンプ抱えてるからこそ自分から言ってんのかなーって。
あと赤いものに執着してるけど自分で買うことで満たされなかったのか小さい頃亡くしたものと同じじゃないから満たされなかったのかなラストだったな。
これだよこれって。
あれを手に入れられて少しでも良い方向へ向きますように。