良作。緊張と緩和がうまい。そして視線誘導の構図が徹底されていて非常に見やすい作品でした。「これは何だ?」「欲望の塊さ」これで締めるかっこよさ。
鷹を中心として人間の欲望を描いています。登場人物がメインで6人ぐらいしかいないため関係性が覚えやすい。また,その登場人物の見た目もそれぞれ印象的なため設定を覚える苦労がない。相棒を殺した犯人は誰なのかという目的から始まり,次第にどうすれば自分が有利な位置につけるかがメインとなる。基本的に会話劇なのですが、ユーモラスかつ視線誘導の構図がしっかりしているため退屈せず見やすい。部屋に入ろうとすると、壁に立っていた人が背後から近づき、観客に緊張させて明かりをつけると他の人も多くいて、緊張を緩和させる。このような見せ方が割とあったのでぐいぐい映画の世界に入り込んでいけました。
映像や演出がしっかりしており、お話としても面白いため良かった。1941年の作品とは思えないほど完成されている。教科書のような見本となる作品だと思いました。ただガットマンの怖い側面がもっと出るような見せ方などがあればより良かった。恐ろしい人物ではなく、気のいい太ったおじさんに見えました。