ある私立探偵に一見の依頼が。簡単な仕事に思えたその依頼も、相棒が殺され、警察からはその容疑者にされ、事態は混沌の様相を呈してくる。状況に翻弄されながらもハンフリー・ボガード演じるサム・スペードは徐々にその謎に迫っていく。事件の中心には幻の秘宝「マルタの鷹」があった。
嘘と欲望に満ちた世界で、探偵の流儀に忠実であろうとするスペードもまた、信念と欲望の狭間で葛藤する人物として描かれていたのが良かった。
ガットマンにハッタリをかまして部屋を飛び出し、エレベーターの前で手が震えているのに気づき、苦笑いするシーンが印象的。