Jeffrey

ミニー&モスコウィッツのJeffreyのレビュー・感想・評価

ミニー&モスコウィッツ(1971年製作の映画)
3.8
「ミニー&モスコウィッツ」

冒頭、地下駐車場で仕事をする男。窓拭き、街を徘徊、バーで見知らぬ男と映画について語る。酒浸りの女、暴力を振るう男、子供、求婚、生活、母親。今、2人の奇妙な愛の物語が始まる…本作はジョン・カサヴェテスによる1971年の米国映画で、この度DVDで初鑑賞したが傑作である。脚本も彼が担当し、主演はカサヴェテスの妻であるジーナ・ローレンズとシーモア・カッセルである。この作品は結婚三部作の珠玉の一編であり、73年には最優秀コメディー脚本賞にノミネートされ、アメリカ脚本家協会からも絶賛を浴びた作品である。

インディペンデント派のカサヴェテスがジーナ・ローランズを主演にした傑作「フェイシズ」に続いて結婚を描いた貴重な一本として有名で、自らも本作に出演している。

さて物語は、駐車場係のモスコウィッツは、男に殴られそうになっているところを救った女性ミニーに一目惚れしてしまう。彼は求婚を繰り返し求めるが、妻のいる恋人と別れたばかりのミニーにはその思いを受け入れようとはしない。


本作の冒頭は、音楽と共にどこかの地下駐車場に車が入り、そこにいる男が車の窓ガラスを拭くシーンから始まる。拭き終わった男は駆け足で違う客の車に乗り、持ち主に返す。カットは変わり、夜の繁華街の露店で何かを見ているシーンに変わる。そして彼は1人でレイトショーで映画を見る。男の名前はモスコウィッツ。彼は近場のバーに行き、そこにいる男と映画の話をしながらホットドックとビールとコーヒーを注文する。

その店にいる男は何も注文しないのでウェイトレスが何か注文してくれと言う。だが金をそこまで持っていなかったため、モスコウィッツが代わりに出す。そして彼はお店を出て行く。残ったその男はウェイトレスとトラブる。続いて、外に出たモスコウィッツが道路を渡る。どこかのレストランへと到着する。知らない客の嫁に対してジンジャーじゃないかといきなり話をかける。どうやら知り合いだと思って勘違いしているようだが、その女は知らないと言う。

そうした中、モスコヴィッツは他の客にも絡み始めて嫌がられる。その中の黒人男性を挑発して、殴られそうになるが何とか回避する。そして違うバーへと行く。そこでもバーのカウンターに座って飲んでいる女性にちょっかいを出し、男たちが現れ彼を店からつまみ出す。翌日、人混みの中1人街をさまようモスコウィッツ。途方も無く歩いては止まりを繰り返す。

続いて、彼の母親の家にバラの花を持って現れる。母親は大喜びしながら彼に抱きつく。そして一緒に食事をしましょうと中に入る。カットは変わり機内の中へ。食事を取らない娘に対して母親が激怒する。その隣にはモスコウィッツの姿がある。彼は黙ってその一部始終を見る。彼はバックスバニーのものまねをしてその場を和ませる。新しい街に到着し、すぐに入居できるかを不動産の人に尋ねる。

カメラはバスから降りる1人のブロンド女性を捉える。彼女の名前はミニー。ミニーと歳のとったフローレンスと言う女性はボガードが出演している映画を見る。そしてフローレンスの家に到着して、酒を飲み引き続き映画の話をする。そして女は酔いながらタクシーを使って帰宅する。家に到着すると電話がかかり、どうやらフローレンスが無事に帰宅したか確認したそうだ。そしてその部屋には1人の男がいる。その男は酒を飲んだミニーに対して怒りながら何度も暴力を振るう。

男は水を用意して酔いが覚めるから飲めと言うが、彼女は逆に男を何度も泣きながら殴り始める。男はよせ、わかったよと言う。そして2人は深刻な話し合いをする。カットは変わり、ミニーとどんくさい眼鏡をかけた男とのデートシーンに変わる。その男は低俗なブロンド女と彼女を罵り、いきなり怒り始める。それを駐車場で見ていたモスコウィッツが彼女を慰める。一旦車に乗って帰ったその男は再度戻ってきてモスコウィッツを殴ろうとするが、彼女が間に入りその隙に男をモスコウィッツがぶん殴る。2人は慌てて車に乗り逃げる。

2人はどこかのカフェテラスで食事をとり、色々と悩み事等の話をする。そうした中、2人は繰り返しデートをする。そして様々なトラブルや葛藤を経て…と簡単に説明するとこんな感じで、ジーナ・ローランズが若くて美しい。アメリカンニューシネマ、キチガイ映画、カサヴェテスらしい映画で、狂った求婚相手を見てるだけで微笑ましくなる。ハッピーエンド好きな方にはお勧めできる。
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