みや

ゴッドファーザーのみやのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)
3.6
【悲しみの末にある覚悟】

伝説的なマフィア映画であり、数多くの対比が物語を引き立てる。

幸せな結婚式の裏では怪しい相談話が持ち込まれるという冒頭のシーンからいきなり物語の世界観に引き込まれて、コルレオーネ・ファミリーの表裏が垣間見える。

何よりマーロン・ブランドとアル・パチーノの役作りと醸し出す雰囲気が素晴らしい。

ヴィトーの義理堅さと慈悲深さに人情味が溢れており、ドンとしての風格が実に格好いい。

一方のマイケルは悲劇の後、次第に表情から笑顔が消え、確固たる意思で「ゴッドファーザー」として冷酷になってゆく様がなんとも言えない。

また、フランシス・フォード・コッポラ監督の演出に光るものがあり、カメラワークや衝撃的な画という視点でも非常に感動した。

セリフに合わせて矢継ぎ早に変わるカットが物語のテンポ感を高め、あっという間に3時間が過ぎ去る。

ただ、あまりにも多い登場人物と複雑な関係性から話を理解することが難しかった。

歳を重ねたのちに再び見返したい作品。
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