あでゆ

ゴッドファーザーのあでゆのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)
4.0
シシリーからアメリカに移住し、一代で財を成したドン・コルレオーネ。三男のマイケルはひとり堅気な人生を送ろうとしていたが、敵対するファミリーにドンが襲われ重傷を負った時、彼は報復を決意する。そしてニューヨークは抗争の場と化していった。

何気にシリーズ未見だったので視聴。
僕は普段から作業をしながらだったり、ゲームをしながら映画を見る癖があるのだが、本作は顔がみんな似てたり、人間周りが複雑だったりでそれが結構難しかった。しかも結構長い。

何より最も印象的だったのはマイケルの暗殺(ではないと思うが)シーン。暗殺の前に行うイタリア語のやり取りが、こちら側に一切訳されないというのが非常に乙なもので、目には見えないが存在する緊張感であったり、もう後戻りできない異常事態のようなものが、その会話を通じて再現されていたと思う。

物語はドン・コルレオーネへの襲撃を契機として進んでいくが、彼の栄枯盛衰の演技が本当に見事。序盤では力強かった彼だが、撃たれたことをきっかけにしてどんどん力を喪っていき、最終的には観る影もなくなってしまう。とはいえ彼の賢さみたいなものは最後まで保たれていて、その先を見る目みたいなものはずっと間違わないんだよな。だからこそ、彼のファミリーは狙われてしまうのだけれど。
最後に彼が孫と遊んでいるときに死んでいくっていうのも、引退した彼にとっては良い死に方だなあと思ったり。どんだけ栄華を極めたとしても、最後はそんな物関係ないんだよっていう象徴的な死。

かたやマイケルはどんどんかっこよくなっていく一方で、権力に飲み込まれていく愚かな人間という気もしている。特に彼女裏切って力使って結婚し、死んだらそれ黙って元の彼女と結婚するとかナチュラルにゲスいよな。
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