こんな繊細なストーリーだったのか!と驚いてしまった。寂しさを紛らわすためペットに話しかけ、鏡の自分に向かって問い続ける男。ズルズルとだらしない生活を続ける一方で、悪さをする若者を叱る正しさも併せ持つ彼を、ただただ応援したくなってしまう。ナイーブでダメだけれど、真っ直ぐな男が、自分の存在を証明するために闘う姿に興奮しないはずがない。
最もグッときたのがエイドリアンとのデートシーン。たった10分間のスケートリンクという、ハズレもの2人がデートするにはあまりにもピッタリな場所。そして、そこで行われるあまりにも不器用なコミュニケーションが、ロッキーに抱いていたイメージを完璧に撃ち砕いてくれました。