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ゴースト・オブ・ウエノの作品紹介

ゴースト・オブ・ウエノのあらすじ

上野でソーシャルワーカーとして働くサツキ(門脇麦)は、都内の公園の青テントで、“ゴージョー”と呼ばれる身元不明のホームレス男性が遺した日記を見つける。妻を亡くして自身も公園で暮らしているトシ(竹中直人)とともに、ゴージョーの正体を求めて、日記を手がかりにホームレスのネットワークを訪ね歩くサツキ。やがてその先に一人の女性の存在が浮かび上がる。さらに荒川の土手で生活するマリの口から明かされたのは、ゴージョーが自ら家族との縁を切ったという過去。それはサツキの人生をも大きく揺るがす事実だった。ゴージョーとはいったい何者なのか。彼はなぜ世間から姿を消したのか。そしてサツキが本当に探している人物とは……

ゴースト・オブ・ウエノの監督

ワン・チイ

原題
公式サイト
https://ghostofueno.com/
製作年
2026年
製作国・地域
日本中国韓国
上映時間
92分
ジャンル
ミステリー
配給会社
ナカチカ

『ゴースト・オブ・ウエノ』に投稿された感想・評価

kuu
3.7
『ゴースト・オブ・ウエノ』
製作年 2026年。上映時間 92分。
映倫区分 G 製作国 日本・中国・韓国合作

東京の上野公園を舞台に、1人の人間の生き方としての“失踪”に焦点を当てながら人と人とのつながりに迫った、日本・中国・韓国の合作によるヒューマンミステリー。

かつて高度経済成長期に労働者の街として機能し、時に路上生活者のテント村が連なっていた上野の闇。
その歴史的な影を背景に描かれた今作は、門脇麦演じるソーシャルワーカーのサツキが、街の片隅で身元不明のまま亡くなった一人の路上生活者が遺した日記を手に入れるところから動き出します。

新鋭のワン・チイ(汪崎)監督が指揮を執り、映画『スモーク』(1995年)などで知られる名匠ウェイン・ワンが企画および共同脚本として名を連ねた陣容もあり、日本の社会構造を少し離れた多角的な視点から切り取ろうとする試みが窺えます。
竹中直人を筆頭に、村松和輝、一本気伸吾、比佐仁、前原実、平野貴大、佐々木史帆、輝有子といった面々が揃い、生活困窮者の日常を過度にドラマチックに仕立て上げない配役が、作品に生々しい現実感をもたらしていました。

一方で、物語のテンポ感は極めて独特でした。
身元不明の男の足跡を追いかけるミステリーの構造を取りつつも、劇的な種明かしや平易な収束を提示する展開には至らない。
またドキュメンタリー手法を取り入れた現実と虚構の交差演出は、作品の狙いである反面、時に冗長さを生み、テーマの焦焦点ぼやけさせるネガティブ要素は否めません。
起承転結の鮮やかな展開から離れた構成は、作品全体の推進力を削ぐ要因にもなっているかな。

しかし、この作品が提示する失踪や生きた痕跡という問い自体は、人間の心理や生きる意味を考えるうえで、きわめて現代的で重みを持っているかな。
我々は無意識に姿を消した人を救済対象や社会問題として捉え、残された側の倫理で発見しようとする。 
せや、家族との縁を絶ち世間から消え去る行為は、果たして糾弾されるべき逃避なんか。
今作における失踪とは、絶望的な社会構造のなかで個の身を守るための静かな自衛であり、自らの生命と精神を維持するための究極の自律、セルフケアとして浮かび上がります。
日記に記された消えることでしか、自分を保てなかったという個人的な言葉は、支援や家族という制度のエゴに対する静かな拒絶であり、自らの意志で選び取った生存の尊厳そのものを突きつけてきます。

映画としての構成やテンポには一定の難があり、個人的には手放しで評価できる作品とは云い難いし、謎解きのカタルシスを削ぎ落とした構成は尖っているが、見つける側の身勝手な視線を解体し、社会の隙間に蒸発していった当事者の声なき尊厳と孤独な思惟を余計な飾りのないトーンで描写した点においては、相応の評価が与えられるべき作品と云えるかな。


上野で「ゴージョー」と呼ばれていたホームレス男性が亡くなった。彼の本名も、生前に何をしていたのかも、なぜ公園のテントハウスにたどり着いたのかも知る者はいない。ソーシャルワーカーのサツキは、妻を亡くし公園で暮らすトシの助けを借り、ゴージョーが遺した日記を手がかりに彼の正体を求めてホームレスのネットワークを訪ね歩く。やがて1人の女性の存在が浮かび上がり、ゴージョーが自ら家族との縁を切ったという過去が判明する。それは、サツキの人生をも大きく揺るがす事実だった。

自らの生い立ちにとある喪失を抱えるソーシャルワーカーのサツキ役で門脇麦が主演を務め、サツキと行動をともにするホームレスのトシ役で竹中直人が共演。監督・脚本は、幼少期を日本で過ごしイギリスで映像制作を学んだワン・チイ。「スモーク」「ジョイ・ラック・クラブ」などの監督として知られるウェイン・ワンが共同脚本・企画に名を連ねた。
背骨
3.2
身元不明の路上生活者が残した日記から彼の正体を探るソーシャルワーカーの物語

一人の男の人生の軌跡を追いながら見えてくる一歩足を踏み外せば奈落の底に落ちる世の中の非常さと、人間とはこんなにも孤独で儚いものかという無常さ

そしてなんといっても門脇麦はやはり別格
symax
3.6
"今、あなたが死んだら誰があなたの遺体や遺骨を引き取りますか?…"

一人のホームレスが死んだ…"ゴージョー"と名乗っていたその男…だがどこの誰だかさっぱり分からないのだ…

ソーシャルワーカーのサツキは、ゴージョーが残した日記を手掛かりにゴージョーの知り合いだというホームレスのトシと共にゴージョーの過去を追うが…

…何年振り?
久々のユーロスペース…
そもそも渋谷自体が久しぶり…人が多すぎるのは苦手になってしまったなぁ〜

客層の年齢層は高く、昔はもっと若い人が多かったような気がするが…と思いつつ、ギコギコ鳴る椅子に腰掛け、これぞミニシアターの老舗との想いを抱いたのでした…

という訳で、上野を舞台にしたホームレスの身元を探すロードムービーですが、監督も脚本も外国人ということもあり、なんとなく、ヴェンダース監督の"パーフェクトデイズ"っぽい匂いを感じさせる作品…

"ゴージョー"の姿を探す目的がいつの間にやら自分探しの旅路のように見えてきます。

いつもより若干クセを抑えた竹中直人と門脇麦の自然体な会話のやり取りが心地よいのです。

結局、何かを掴みそうで何も掴めず、"ゴージョー"の身元は分からないままですが、"ゴージョー"の居場所は分かったような気がします…

"うぉぉいっっ!"っと壮大なツッコミをしたくなるオチは、失踪、孤独死、無縁仏という重く、決して他人事ではないテーマを優しく包み込んでいるようで…この感じ好きです…何だか将来の自分を見ているようで…めっちゃ寂しくなりましたが…笑。

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