クリストフォルー

無言歌のクリストフォルーのレビュー・感想・評価

無言歌(2010年製作の映画)
4.5
過日『中国新世紀 中国共産党・一党支配の宿命』というドキュメンタリーを見て、ようやく、この映画の背景が理解できた。“反右派闘争”というのは、すなわち、毛沢東による批判者(反乱予備軍)への容赦ない粛清であり、個人崇拝・独裁体制への道程だったわけだ。人類の歴史においては珍しくない行為なのだろうが、なにせ規模が凄まじい。
この歴史的悲劇を、わずかな個々人に仮託して劇化し、静かに、しかし鮮烈に伝えることを成し遂げた王兵(ワン・ピン)監督に、今の中国共産党が賛辞を送ることはないのだろう。今後も更なる活躍ができることを願うほかない。
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