シリーズ6作目。
長崎で、ある父と娘の親子愛に触れ、故郷の柴又が恋しくなり帰る寅さん。
夫のDVから逃げてきた若い女性を諭す格好良さを見せたかと思えば、博の独立問題では双方にいい顔をして大騒動に発展させる駄目っぷり。寅さんの振り幅よ。
今作のマドンナはつねの遠縁で、とらやに下宿中の人妻・夕子。夕子のことはあまり掘り下げられないが、なんと言っても演じている若尾文子が美しい。上玉すぎてさくらに直接「お兄ちゃんとは関係ない人よ」と釘を刺されるも、頭では分かっているが気持ちが勝手に動くんだと寅さん。
夕子は、寅さんの気持ちに気づいて自ら振ろうとする意思があったのが良かった。前作の節子にその点でかなり不満があったので、そこだけでかなり夕子の株が上がった。まあ人妻だったというのも大きいのかもしれないが。