このレビューはネタバレを含みます
これはなかなかの衝撃作。
ビジュアル的なグロさもあるんだけど、それ以上にメンタル的にグロい。エグい。
生きてて日々何となく感じてるけど、見ないフリしてきてるものを可視化された感じ。
実際の複数の事件が元になってるらしくさらにエグい。
いろいろあって幼少期に住んでた島に休暇に来たへウォン。そこは住民が9人しかいない孤島。幼馴染のボンナムはへウォンを暖かく迎えるが、彼女の暮らしぶりはへウォンには理解できないもので…
簡単に胸糞って使いたくないんだけど、これは本当に胸糞悪い。主要登場人物がほぼ好感が持てない。主役のへウォンも最初から最後まで好きになれない。
韓国のお仕事事情は分からないけど、客対応中に電話でるとか、声荒げるとか…
警察の対応も、被疑者と参考人同じタイミングで同じ出口から帰すなよ…
とか、初っ端から日常生活でもあるようなイライラポイント多数。
そして、島に行ってまたいろいろ胸糞ポイントがあるんだけど。海外で、孤島の少数の村で、一昔前で、って見がちなんだけど、こういう胸糞ポイントってどの国でも、どの町・環境でも、今でも普通にあるんだよね。
程度の差こそあれ、なんとなくそういうもんだと諦めて受け入れて見て見ぬふりしてるだけで。
あの島は特に強い儒教思想的な家父長制とか男尊女卑、年功序列だけど。
その中で一番弱い立場のボンナムがああなるのはむしろ当然で。
正直全く良い人間じゃないへウォンだけど、そんな人間でもボンナムにとっては幼い頃から、綺麗で自立して憧れでいつか自分のことも都会に連れて行ってくれるんじゃないかっていう希望の存在という皮肉。
本当に普通に生きてるだけじゃ得難いこういう感情とか思索のきっかけになってくれるのも映画の素晴らしいとこだと思います。
見て欲しい作品です。