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明日、君がいないのZのネタバレレビュー・内容・結末

明日、君がいない(2006年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

 

「エレファント」と似た手法で撮られているけれど、内容に関しては全く別の衝撃を受けた。
 それぞれが悩みを抱えて精一杯になって、関係が崩れていく様子の描き方があまりにも自然に、突然で残酷で、観るのをやめそうになった。同じように死も突然であることをラストの10分ほどでガーンと訴えられて、一気にそれまで見ていたものがわからなくなった。すごい。
 それから6人の登場人物に共通していたのは孤独であることだと思った。物理的な人との距離だけじゃなくて、誰にも言えない秘密を抱えていく姿を傍観者として観ているのが辛かった。視点が次々移り変わっていくから殊更没入感があったと思う。
 ラスト、亡くなった子からは映像を通して孤独を体感した。それが1番怖かったし、それこそが死に至った1番の原因なんじゃないかとも考えた。人とある程度踏み込んだ関係が持てて、初めて誰かに愛されたい、誰かに認めてもらいたい、わかってもらいたい、と思うものだと思う。だから中間にいるのが1番怖い。そんなことないと周りが思っていても、いてもいなくてもいい存在だと思ってしまう。辛さを吐き出せる人も、できない人もいて、悩みの大きさは個々によるというのもその通りだと思う。だけど抱え込んで、膨張した風船みたいになってしまって、ある時突然破裂してしまうような危うさや苦しさが、ラストに自殺する子が登場することで描かれていた。周りを見つめるあの子からは確かな絶望や虚無感を感じた。
 なんか中高生の時を思い出しました。広い視野で周りを見れる人間でいたいし好意は口に出していきたい。
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