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午後3時の初恋のakrutmのレビュー・感想・評価

午後3時の初恋(2007年製作の映画)
4.2
突然現れた高校の同級生の男性に惹かれていく女性が遭遇する悲しい現実を、ミステリアスかつノスタルジックに描く、チェン・フェンフェン監督の初長編映画。珠玉のアジアン・ライブラリー(Vol.6)というDVDに、グイ・ルンメイ主演の『遠い道のり』と一緒に収録されていたので、目当てであった『遠い道のり』のついでに鑑賞。

しかーし、『遠い道のり』が霞んでしまうほどの素敵な映画であることを発見できたのは、嬉しい驚きであった。しかも、主人公の女性・青青(チンチンと読む)を演じているグォ・ビーティンが、めっちゃ可愛い。とびっきりの美人(もちろん美人なのだが)というわけではないのだが、雰囲気がある。モデルである彼女は本作で映画デビューを果たし、その後は女優として活躍している。Bea Haydenという英語名も持っている。そして、その相手役を演じるのが、イケメン俳優のジョセフ・チャン。『GF*BF』ではグイ・ルンメイちゃんと共演していて、そのときもイケメン。本映画では、後で述べるように、実は難しい役どころに挑戦していて、ジョセフ・チャンのファンも必見である。

以下はネタバレを含むので、これから見ようと思っている人は注意。といっても、それ自身は本映画の主題ではないのだが。

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自然豊かな田舎町という舞台や、昔の青春時代が蘇るというストーリー展開からしてノスタルジックな雰囲気を醸し出していて、ノスタルジーに浸りたい年頃の私にとっては心に残る素敵な映画である。一方で、内容的にはかなり粗さが残るのも否めない。例えば、ズーハンの両親の話からすると、ボーユイにズーハンの人格が現れたのは死んですぐ後なのに、チンチンに会いに行くのは10年後って、そんなに好きじゃなかったのかとか思ってしまう。ナレーションで状況説明するのも、ちょっと反則。できればそれを映像でわからせてほしい。また、時々挿入される素描画風に加工された映像や、ボーユイが絵を書くシーンなどを見ていると、絵画(アート)がストーリー展開に絡んでくると思えてしまうが、これもほったらかしのままである。

でも、本映画の主題はストーリーそのものにはないので、まあいいだろう。とにかく、チンチンの初恋の儚さや、無気力に過ごしていた今までの自分に決別するがごとく、自分のエゴイスティックな思いを通そうとする最後のシーンなどは、とても印象的なのである。でも、自分のフィギュアを持っていたのには、ちょっと引きそうだが。
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