
3人家族の父・神林大智の元に、ある日、身に覚えのない小包が届く。箱を開けると、20年以上前に関係を断った友人・五十嵐英太の日記が入っていた。余命いくばくもない英太に代わってホスピスの看護師が送ってきたのは、高校時代から病魔に侵されるまでを綴った彼の人生の記録だった。そこから大智は、英太の同性愛者としての苦悩を知ることになる。 高校で英太は、同級生の柔道部員・優輝に恋をする。しかしそのことが明るみに出ると壮絶ないじめに遭う。一方で、優輝の恋人・理沙とは心が通じ合う。 卒業後、一人上京して困窮していた英太が倒れたときに、当時大学生だった大智に救われる。英太は大智のアパートに居候して数年を過ごす。やがて二人の関係に変化が起きる。 そして現在、英太の日記を読む大智は、妻や思春期の息子・拓海との関係に悩んでいた。拓海は、小学校の同級生をいじめていたことが発覚し叱責され、それ以降不登校となる。拓海の気持ちが分からない大智は、英太の感情を受け止められなかった後悔と併せて、他者を理解することの難しさを突きつけられる。愛とは。幸せとは。当たり前と思っていたものが揺らいでいく――。