Omizu

ハスラーのOmizuのレビュー・感想・評価

ハスラー(1961年製作の映画)
3.4
【第34回アカデミー賞 美術賞、撮影賞受賞】
『オール・ザ・キングスメン』のロバート・ロッセン監督作品。アカデミー賞では作品賞他全8部門にノミネート、美術賞と撮影賞を受賞した。英国アカデミー賞では作品賞も受賞した名作とされる。1986年にはマーティン・スコセッシを監督に迎えての続編『ハスラー2』が制作され、ポール・ニューマンが主演男優賞を受賞した。

不思議な作品だったな。ストーリーだけみれば『ロッキー』みたいなエンタメ作なのに演出は非常にアート的。バックで流れる音楽がなく終始淡々とした雰囲気。

個人的には少し長いが、流石名作とされるだけある。アカデミー賞でこんなにノミネートされているのはよく分からないが。

ポール・ニューマンの主人公も良かったし、『パットン大戦車軍団』などのジョージ・C・スコットもよかった。というか完全にスコットがニューマンを喰ってしまっていた。ノミネート拒否したりと破天荒な俳優さんだけどそれだけの実力があるんだなと改めて思い知らされた。

女性の扱いにはやや疑問が残るものの、相手役のパイパー・ローリーも精神が不安定な女を見事に演じていた。

長いは長い。飽きてしまったのは事実だが、最後はなかなか心を動かされるものがあった。一人の人間を死に追いやってしまったという罪悪感に苛まれる。しかし勝負はそれとは関係なく進んでいく。人間の冷酷さを痛感させられる。
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