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15/18(原題)
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『15/18(原題)』に投稿された感想・評価

[フランス、子供たちの避難所にて] 

セドリック・カーン長編14作目。カンヌの大御所監督という適当な認識のまま一本も観ずにここまで来てしまったが、よくよく調べてみるとカンヌのコンペに入ったのは『ロベルト・スッコ』の一度きりで、残りはベルリンに二回だけという、あまり三代映画祭のコンペとは縁のない監督だった。そりゃ遭遇しないはずだ。物語はフランスの公立病院にある青年精神病棟を描いている(原題"15/18"は収容されるのが15歳から18歳までを示していると思われる)。ここに集められているのは様々な背景を持つ少年少女たちで、不安定な彼ら彼女らを一時的に保護する役目を持っている。新たに配属された新人ジュールスの目線で医師側がどのようなケアをしているのかを描きつつ、何度も入退院を繰り返すルシアという少女を軸に子供たち側の物語も描いていく構成になっており、前半は様々な子供たちとのセッションを通じて様々な家庭環境や彼らの状況を提示していき、後半はソーシャルワーカーを刺して自殺未遂を起こし連れてこられたエンゾという暴れん坊とルシア、そして彼が好きになるエロイーズという少女の三角関係を描いている。あくまで前半のテーマに拘っていたら、カンヌの好きそうなお仕事映画っぽいテイストになったと思われるが、俳優たちを集めて"リアル"な青少年精神病棟を描こうとしてえるのはお仕事映画というよりはローラン・カンテ『パリ20区、僕たちのクラス』に近い。ドキュメンタリーにした方が本質を捉えられるのでは?というテーマを、わざわざフィクション化するという点で似ている。そのせいで、前半で丁寧に子供たちの問題、親たちの問題に向き合ってきた映画が、突然三角関係と脱走という物語にすり替わり、普段の医師たちの努力が無碍になるようなショック療法的結末を迎えるのは果たして良い方向に働くのだろうか?子供たちの抱える問題に映画が向き合うのを拒否していいのか?という疑問が頭を掠め続ける。一方で、医師たちの言葉にも引っかかる部分がある。恐らくは複数回のセッションを映画的にまとめたせいなのだろうけど、かなり端折った議論の末に結論を断定的に投げかけていたり、過去にレイプ被害を受けた少女を別の少女の演技セッションの中でレイプ被害者役として被害寸前の部分まで演技させていたり、ヒヤヒヤする部分が多かった。少しだけダルデンヌ兄弟『そして彼女たちは』も思い出したが、あれは最後まで問題に向き合い続け、決して目を逸らさない点で優れていたと思う。