KnightsofOdessaさんの映画レビュー・感想・評価

KnightsofOdessa

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Something Useful(英題)(2017年製作の映画)

3.5

[たゆたう世界の観察者] 70点

友人に絶対観ろと言われたトルコの怪作。MUBIのTOP1000に突然現れたことで界隈でも話題となった(しかも現状23位)。25年ぶりに同窓会に出席しようと列車に乗り
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バージニア・ウルフなんかこわくない(1966年製作の映画)

4.0

[シャーリイ・ジャクスンなんかこわくない?!] 80点

ジョゼフィン・デッカー『Shirley』の完全なる元ネタ。そう考えるとサンディ・デニスとオデッサ・ヤングってちょっと似てる気もする。しかし、オ
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浮草(1959年製作の映画)

4.5

[お前さえ偉うなれば、それでええんや] 90点

カラー小津は初めて。いきなり青い海/白い灯台/黒い瓶で意識が飛びかける。え、ヴィットリオ・デ・セータ観てたっけ?というくらい綺麗な海のショット。以降も
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ミルドレッド・ピアース(1945年製作の映画)

3.5

[親の心、クソガキ知らず] 70点

『深夜の銃声』とか『偽りの結婚』などと呼ばれるカーティスの未公開作品。殺人事件の後、今にも死にそうな顔をしたジョーン・クロフォードが埠頭で海を見る冒頭では、また"
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The Human Voice(原題)(2020年製作の映画)

3.0

[あなたの声が聴こえない] 60点

自身の『8 1/2』みたいな作品『ペイン・アンド・グローリー』を撮った次に初の英語作品を撮るのは至極真っ当な選択のように思える。ジャン・コクトーの戯曲を翻案したら
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Never Gonna Snow Again(原題)(2020年製作の映画)

3.5

[最後の雪はやがて] 70点

ヴェネツィア映画祭のコンペに選出された一作。ウクライナ出身の男ゼーニャはポーランドにマッサージ師として出稼ぎに来ている。施術用の簡易ベッドを肩に掛け、物腰柔らかな笑みを
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賭博師ボブ(1955年製作の映画)

3.0

[小悪魔イザベル・コーレイの独壇場] 60点+10点

家にスロットマシーンがあるくらいのギャンブル狂いで界隈では伝説となっている賭博師のイケオジが主人公だが、だいぶ年下の女を口説いての初デートでボロ
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普通の人々(1980年製作の映画)

4.0

[感情は苦痛を伴う] 80点

頭脳明晰でスポーツ万能な兄貴の代わりに何も出来ないあんたが死んでればね、という態度を隠そうともしない母親の"愛の不在"が強烈。彼女が悪者になってしまうのは、伝統的な家父
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ウィズアウト・リモース(2021年製作の映画)

2.0

[フランチャイズを意識し過ぎでは?] 40点

後の「レインボーシックス」の主人公となるジョン・クラークの若かりし頃を描いた作品。合衆国が強大でいるため戦争が必要なんや!そのためには大国ロシアと戦うん
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私は隠れてしまいたかった(2020年製作の映画)

3.0

[ある画家の生涯] 60点

生まれ育ったスイスでもルーツのあるイタリアでも拒絶されながら、内なる時間を生きる画家アントニオ・リガブエ。その摩訶不思議な絵画世界の色彩を再現したかのようなセットの色彩が
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殺人ゲーム/コミックストリップヒーロー(1967年製作の映画)

4.0

[メガネっ娘クロディーヌ・オージェ!!!] 80点

小説家と画家のコンビ漫画家が、作品のファンで作中の妄想スパイごっこに取り憑かれた狂気的ボンボンに振り回される話。旧題『殺人ゲーム』。狂気のボンボン
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むかしむかし(1922年製作の映画)

3.0

[むかしむかしある国に、我儘王女がおりました] 60点

序盤は高慢で冷淡な某国の美貌我儘王女がクセの強い求婚者を退け続けているだけで、ソフトクリーム型の髪をを後ろから棒で支えてるシーンから、欠落部分
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断絶(1971年製作の映画)

4.9

[自由とその退屈さ、そして永続する幻想] 99点

追悼モンテ・ヘルマン。車がほとんど走ってない田舎の道をひた走るような自由さと、その本質的退屈さの映画。車とレースにストイックすぎて、所謂ニューシネマ
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The Executioner(英題)(1963年製作の映画)

3.0

[葬儀屋も処刑人はお嫌い] 60点

物語は処刑場の朝から始まる。不味そうな朝ご飯をだだっ広い車庫のような待合室で食べる看守、棺を持ち込む葬儀屋。すると、奥の扉から背広の男たちが出てきて、最後に小柄な
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我々の世紀(1982年製作の映画)

4.5

[我らの20世紀] 90点

大傑作。まるで冷戦なんかなかったかのように、"人類の進歩"として米ソのロケット発射までの風景が平然と並べられる冒頭から既に好き。ロケットが発射されるのかと思ったら次の瞬間
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きんぽうげ(1970年製作の映画)

3.0

[きんぽうげみたいな映画] 60点

ダサいコピーを考えるなら"猛毒の青春"とかだろうか。双子の姉妹から同じ日に生まれたいとこ同志が、互いを愛しながら禁忌を超えられず、間に赤の他人を挟んで中和しようと
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密航者(2021年製作の映画)

3.0

[一人を殺すかみんなで死ぬか、実践型マイケル・サンデル] 60点

火星に行くロケットに気絶した整備員が乗ってて、物資が足りませんという話。乗組員三人が白人女性二人に韓国系米人男性一人、整備員が黒人男
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ノスタルジア(1983年製作の映画)

4.9

[ノスタルジア、死に至る病] 99点

久しぶりのタルコフスキー作品。本作品を製作するためにソ連を出国したままイタリアに亡命したという経緯を踏まえてみると、本作品の主人公アンドレイはタルコフスキー本人
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真夏の夜の夢(1959年製作の映画)

3.0

[奥行きを感じない目が怖すぎ] 60点

初トルンカ。人形劇なんだが、あまりにも人間臭すぎて、途中から実写映画を観ている雰囲気になってた。ロッテ・ライニガー『アクメッド王子の冒険』の時も思ったが、一瞬
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1945(原題)(2017年製作の映画)

4.0

2年前に書いたので幾分青臭いですがお許しください

[終戦のハムレット、或いはユダヤ人の帰還] 80点

2017年のハンガリー映画はカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品されたムンドルッツォ・
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走り来る男(1989年製作の映画)

4.5

[ローラン兄さんが戻ってくる!] 90点

ラストのキスシーンだけで満点あげてもいい気がしている。酔っ払って自宅納屋で火事を起こし、結果的に浮浪者を殺してしまった兄弟。罪を被った兄ローランは10年服役
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

3.0

[彼はどこにでもいる男…?] 60点

ボブ・オデンカークによるジョン・ウィック系映画。ジョン・ウィックの場合、彼に落ち度はなく、ロシアン・マフィアのバカ息子がジョン・ウィックを叩き起こしたのが原因で
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何がジェーンに起ったか?(1962年製作の映画)

3.5

[車椅子と階段の映画] 70点

『サイコ』の亜流作品で最も成功した作品(らしい)。20世紀で一番仲が悪かったと言われたり言われなかったりするベティ・デイヴィスとジョーン・クロフォードが共演していて、
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Slalom(原題)(2020年製作の映画)

3.0

[体調管理、身体管理、性的搾取] 60点

カンヌ・レーベル関連でスポーツ映画を観るのは、パスカル・プラント『ナディア、バタフライ』に続いてこれが二本目。あちらは水泳だったのに対して、こちらはスキーで
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Le Sorelle Macaluso(原題)(2020年製作の映画)

2.0

[戻り来る鳩と去り行く鳩] 40点

昨年のヴェネツィア映画祭コンペ部門に選出された作品。大きく三つの時代に分けて描かれるマカルソ家の五人姉妹の年代記。第一部は五人姉妹のティーン時代を描いている。一番
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

[信頼できない語り手と   ] 80点

なかなか凄い映画だったが、なんだか書く気力が起きないので適当に。本作品の構造をストレートに明かせば、信頼できない語り手と   をかけ合わせたものである。そのた
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New Order(英題)(2020年製作の映画)

1.0

[これが新秩序ダッ!…だそうです] 0点

点で見た前半の映像や演出はそれなりに面白いのに全体の主義主張が無理すぎて無理。本作品を"一般人の目線で見た暴動事件"として観れば、知らない場所で発生した暴動
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Sudden Manhattan(原題)(1996年製作の映画)

3.5

[ハートリー世界の殺人ファンタジー] 60点+10点

エイドリアン・シェリー初長編作品。"なーんもすることない"と呟いていた無気力な女性ドナが、ある日不快な騒音を出すスクランブルエッグを食べた日に、
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Shiva Baby(原題)(2020年製作の映画)

4.0

["それで、彼氏いるの?"という閉所恐怖症的空間の中で] 80点

2018年に製作された同名の短編映画を同じくレイチェル・セノットを主役に長編映画化した作品。"SHIVA(シェヴァ)"はユダヤ教にお
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マルセイユ(2004年製作の映画)

4.0

[マルセイユで狐につままれて] 80点

いつも通り揮発性の高いシャーネレク作品。若い写真家ソフィーは、ドイツにある自分のアパートをマルセイユの女学生と交換し、10日間の休暇をそこで過ごすことにした。
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ザ・ライダー(2017年製作の映画)

2.5

[ライダーだけに興味のある映画] 50点

『ノマドランド』を観た後だと、焚き火を囲んだ語らいとか何気ない暁の風景とかまんますぎて驚く。初期マリック的なアメリカの平原で、今のマリックっぽいマジックアワ
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オルリー(2010年製作の映画)

3.5

[あの日、オルリー空港で] 70点

あまりにもナターシャ・レニエが観たくて久々に。アンゲラ・シャーネレク、マレン・エッゲルト、ナターシャ・レニエ、(オルリー)空港という推し大集合映画。シャーネレクの
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春の驟雨(1932年製作の映画)

4.0

ユニバーサルに失望してMGMに転職したフェヨシュは、『ビッグ・ハウス』のフランス語版とドイツ語版のリメイクを作るなど非常につまらなそうな仕事しかしていない。ルビッチ、レニ、ムルナウと並び称された外国人>>続きを読む

アウト・オブ・ブルー(1980年製作の映画)

4.0

[消え失せるより燃え尽きたほうがいい] 80点

飲酒&脇見運転で小学校の通学バスを轢き潰した父親、勤めてるダイナーの店主と不倫してるヤク中の母親、エルヴィスに先立たれて窒息しそうな娘。破綻しかけた企
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裁判長(1918年製作の映画)

3.0

[途中で動物映して休憩すな] 60点

カール・ドライヤーの初長編作品。自分の娘を裁くことになった裁判長の話。この時代にしてはまあまあな数のフラッシュバックがあって時系列が入り乱れるので油断していると
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再現(1970年製作の映画)

3.5

私の中で『Reconstruction』と言えばルチアン・ピンティリエなのだが、その2年後にアンゲロプロスも同じ題名の作品を撮っていた。それが本作品である。長編デビュー作ながら既にアンゲロプロスという>>続きを読む

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