KnightsofOdessaさんの映画レビュー・感想・評価

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スロベニアの娼婦(2009年製作の映画)

3.5

[スロヴェニア、ある女子大生の歪んだ憧れ] 70点

ダミアン・コゾレ長編八作目。スロヴェニアはユーゴスラビアからの離脱も経済的な復興も早く、ユーゴスラビアの優等生と呼ばれていた。2004年にEUに加
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Bring Her Back(原題)(2025年製作の映画)

3.5

[]

フィリッポウ兄弟長編二作目。父親がシャワー室で死んでいるのを発見した17歳のアンディと盲目の義妹パイパーは、風変わりなカウンセラーのローラの家に預けられる。死んだ飼い犬の剥製、言葉を発さない謎
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Sister Midnight(原題)(2024年製作の映画)

4.0

[インド、お見合い結婚したけれど…] 80点

Karan Kandhari長編二作目。主人公ウマは、子供の頃に一度会っただけの夫ゴパルとほぼ顔を合わせずお見合い結婚の末、ムンバイの片隅にある平屋の家
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ルノワール(2025年製作の映画)

4.5

[私が過ごした永遠の夏] 90点

大傑作。2025年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。早川千絵長編二作目。1987年、11歳の少女フキの視点から見た世界を描く。主軸となる物語はあるが、基本的にはフキが
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ザ・ザ・コルダのフェニキア計画(2025年製作の映画)

2.0

[武器商人による中東インフラ計画]

2025年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ウェス・アンダーソン長編12作目。本作品の主人公は武器商人で実業家のザ・ザ・コルダである。彼は常に命を狙われているため、
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ルーツ 岩と雲の先へ(2024年製作の映画)

3.5

[ペルー、親友のアルパカを探して] 70点

フランコ・ガルシア・ビセラ長編二作目。8歳の少年フェリシアーノはアンデス山脈の麓にある小さな村でアルパカの面倒を見て生活していた。両親は別の仕事があるよう
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Lust for Gold(英題)(1974年製作の映画)

4.0

[ルーマニア、黄金に魅せられた人々の末路] 80点

傑作。ダン・ピツァ長編二作目、ミルチャ・ヴェロイユ長編三作目、コンビでは二作目。コンビ一作目『Stone Wedding』とも似たテーマを扱った二
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罪人たち(2025年製作の映画)

3.0

[] 60点

ライアン・クーグラー長編五作目。禁酒法時代のミシシッピ・デルタを舞台に、双子のギャング兄弟が黒人専用のクラブを作って音楽と酒を提供する話。音楽を軸にした黒人視点のアメリカ史を踏まえた構
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さよならはスローボールで(2024年製作の映画)

3.5

[最後のゲームが始まる] 70点

カーソン・ランド長編一作目。彼はオムネス・フィルムズの創設メンバーだが、『ハム・オン・ライ』以降『Topology of Sirens』『Christmas Eve
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The President's Cake(原題)(2025年製作の映画)

3.5

[イラク、フセイン大統領の誕生日をお祝いしよう] 70点

2025年カンヌ映画祭カメラ・ドール受賞作品。Hasan Hadi長編一作目。イラク映画を観たことがあるだろうか…と思って調べたが、これが初
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My Armenian Phantoms(英題)(2025年製作の映画)

4.0

[父と私とアルメニア映画史] 80点

Tamara Stepanyan長編四作目。監督の父親Vigen Stepanyanはアルメニア映画史を代表する映画俳優だった。そんな彼は、娘タマラの長編劇映画
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Little Trouble Girls(英題)(2025年製作の映画)

4.0

[スロヴェニア、ある少女の性的発見/探索]

ベルリン映画祭パースペクティブス部門選出作品。ウルシュカ・ジュキッチ(Urška Djukić)長編一作目。Émilie Pigeardと共に撮った短編『
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オフサイド・ガールズ(2006年製作の映画)

3.0

[] 60点

2006年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。ジャファール・パナヒ長編五作目。2005年6月のワールドカップ最終予選イラン対バーレーン戦の最中に実際のスタジアムで撮影されたらしく、動員数
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人生タクシー(2015年製作の映画)

3.5

[] 70点

2015年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品、金熊賞受賞作品。2010年に今後20年間の映画製作禁止を言い渡されたパナヒだったが、2011年に『これは映画ではない』、2013年に『閉ざさ
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Eagles of the Republic(原題)(2025年製作の映画)

3.0

[エジプト、強権的大統領を演じろってよ] 60点

2025年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。タリク・サレー長編六作目。『The Nile Hilton Incident』『Cairo Conspir
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Romería(原題)(2025年製作の映画)

3.5

[スペイン、陰湿な父方の実家と想い出の欠片] 70点

2025年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。カルラ・シモン長編三作目。ずっとベルリン映画祭に出品していて、前作『太陽と桃の歌』で金熊賞を受賞したこ
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The Little Sister(英題)(2025年製作の映画)

3.0

[レズビアンであること、イスラム教徒であること]

2025年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品、女優賞/クィア・パルム受賞作品。アフシア・エルジ長編四作目。ファティマ・ダースによる自伝小説『The La
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Monologue(英題)(1973年製作の映画)

4.5

[ソ連、あなたは幸せだったことはありますか?]

大傑作。1973年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ソ連のお家芸である"おじさんと若い娘"シリーズの一本。しかも、今回は"若い娘"が二人もいる。今回の主
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Fuori(原題)(2025年製作の映画)

1.0

[イタリア、"彼女たちは塀の内側で自由だった…"] 0点

2025年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。マリオ・マルトーネ長編最新作。イタリア出身の女優/作家ゴリアルダ・サピエンツァは、死後に発表された
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Mother and Child(英題)(2025年製作の映画)

4.0

[イラン、男たちと私たち、或いは暴走機関車]

傑作。2025年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。サイード・ルスタイ長編四作目。物語は前作『Leila's Brothers』と同様に鈍重なサフディ兄弟の
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Dossier 137(原題)(2025年製作の映画)

3.5

["警察の警察"の見えない戦い、或いはネコ動画] 70点

2025年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ドミニク・モル長編八作目、2005年の『レミング』以来20年ぶりのコンペ選出。カンヌはマイウェン『
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青春 -帰-(2024年製作の映画)

2.0

[実家、ついて行ってイイですか?] 40点

2024年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品(『帰』のみ)。面倒なのでニ作まとめて記載。相変わらず相性の悪いワン・ビン作品、ヴェネツィア案件として『帰』
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青春 -苦-(2024年製作の映画)

3.0

[交渉は団体戦!] 60点

2024年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品(『帰』のみ)。面倒なのでニ作まとめて記載。相変わらず相性の悪いワン・ビン作品、ヴェネツィア案件として『帰』だけ観れば良いも
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Architecton(原題)(2024年製作の映画)

2.5

["私たちには新たなる美の概念が必要だ"] 50点

2024年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。『GUNDA』以来4年ぶりの新作で、製作にはA24が関わっている。『¡Vivan las Antipo
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季節はこのまま(2024年製作の映画)

1.0

["ロックダウンは自分を見つめ直す良い時間でした"] 10点

2024年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。オリヴィエ・アサイヤス長編19作目。2024年にもなってロックダウンの話を映画にするなんて、
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Warfare(原題)(2025年製作の映画)

4.0

[無意味だった作戦に向き合う]

傑作。アレックス・ガーランド長編五作目。共同監督であるレイ・メンドーサがイラク戦争中にネイビーシールズ隊員として経験した出来事を基に執筆した出来事を描いている。参加し
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ディーヴァ・フトゥーラ(2024年製作の映画)

4.5

[昔々、ポルノ映画事務所で] 90点

大傑作。2024年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。ジュリア・ルイーズ・スタイガーウォルト長編二作目。イタリア初のポルノ映画事務所"Diva Futura"
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シシリアン・レターズ(2024年製作の映画)

2.0

[] 40点

2024年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。ファビオ・グラッサドニア&アントニオ・ピアッツァ長編三作目。逃亡生活を続け、最後のゴッドファーザーと呼ばれたシシリアン・マフィアのボスで
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テンプル森のギャングたち(2023年製作の映画)

4.5

[バンリューギャング映画のジャンル解体] 90点

大傑作。ラバ・アメール=ザイメッシュ長編七作目。バンリューを舞台にしたギャング映画なのだが、似たような題材の『レ・ミゼラブル』『アテナ』『ディーパン
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詩人たちはフアナ・ビニョッシに会いに行く(2019年製作の映画)

2.5

[] 50点

ラウラ・シタレラ長編三作目。2014年に亡くなったアルゼンチンの詩人フアナ・ビニョッシの遺品整理や業績の再確認をする若い詩人メルセデス・ハルフォンを追ったドキュフィクション。彼女の姿を
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30年後 ーふたりのボリビア兵ー(2022年製作の映画)

3.0

[] 60点

ホルヘ・サンヒネス長編12作目。いかにも予算不足な南米映画(雑概念)ぽいスチルだったのであまり惹かれなかったのだが、蓋を開けてみると中々興味深い作品だった。物語はチャコ戦争期のボリビア
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コンドルの血(1969年製作の映画)

3.0

[] 70点

ホルヘ・サンヒネス長編二作目。白人の医療チームが入ったアンデスの寒村で起こる二つの事件を平行して描いた一作。一つ目は村長の男が警察に撃たれ、生き延びるには輸血と薬の購入が必要だが妻と弟
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海から来た娘たち/自由への旅立ち(1991年製作の映画)

2.0

[] 40点

ジュリー・ダッシュ長編一作目。随分昔から知られざる傑作として頻繁に言及されていた作品だが、どうもとっつきにくい雰囲気で避けていたら劇場公開するということでありがたく観て来た。物語は19
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カップルズ 4Kレストア版(1996年製作の映画)

4.5

[この世界でエニェディ的奇跡を求めて] 90点

大傑作。1996年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。7年ぶりの鑑賞だが、内容をほとんど忘れていたし、こんな面白かったっけ?と困惑している。物語は失踪し
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アブラハム渓谷 完全版(1993年製作の映画)

3.0

[] 60点

マノエル・ド・オリヴェイラ長編x作目。オリヴェイラは本作品を初見作品にしようと何度もトライしたが、序盤のアブラハム渓谷の紹介をしているところで寝ちゃって進められなかったので、今回がガチ
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メイデン(2022年製作の映画)

4.5

[それは君がいた証、僕がいる証]

大傑作。グラハム・フォイ長編一作目。MDFF製作なのでプロデューサーにはカジク・ラドワンスキの名前もあり感動。2022年のヴェネツィア映画祭でのプレミア上映以来観た
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