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大傑作。エルマンノ・オルミ長編三作目。エルマンノ・オルミの映画はだいたい上映時間の半分くらいは寝ちゃうんだが、寝る前と起きた後で話が違和感なく繋がるので、映画爆睡勢には非常にありがたい>>続きを読む
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傑作。ヤスミン・アフマド長編六作目にして遺作。四の五の言わずにヤスミンを観よ、と言われてから早五年、やっと観ました(すいません)。タレンタイムという音楽コンクールを巡る群像劇ということで、参加>>続きを読む
[エリザベスから見たキャサリン・パーの物語] 50点
2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。カリム・アイノズ長編八作目。エリザベス・フリーマントルによる小説『Queen's Gambit』の映画>>続きを読む
[モンテネグロ、古き法と美しき悪徳] 90点
大傑作。ジヴコ・ニコリッチ(Živko Nikolić)長編五作目。モンテネグロの山間部は何世紀もの間、厳格な掟に支配されていた。冒頭ではこんな事例が紹>>続きを読む
[ハンガリー、あの時代を生きた私から貴方へ] 70点
メーサーロシュ・マールタ長編23作目。故郷ハンガリーの寒村で老母マーリアが倒れたと連絡を受けたオルガがウィーンから息子を伴って病院に駆けつける。>>続きを読む
[北コーカサスの荒野を旅する親子の肖像] 80点
イリヤ・ポヴォロツキー(Ilya Povolotsky)長編一作目。ロシア政府から資金援助を受けていないとして2023年カンヌ映画祭監督週間に選出さ>>続きを読む
[ブラジル、"翻訳している相手のことを本当に理解してる?"] 90点
大傑作。Nele Wohlatz単独長編二作目。前作『The Future Perfect』は、ブエノスアイレスに移住した少女が>>続きを読む
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2024年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。ヴェロニカ・フランツ&セヴリン・フィアラ長編三作目。二人は叔母と甥で、フランツは製作のウルリヒ・ザイドルの妻とのこと。舞台は1750年の北オ>>続きを読む
[フランドルの"スター・ウォーズ"は広義SF映画のカリカチュア] 80点
傑作。2024年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。ブリュノ・デュモン長編12作目。舞台はいつものブローニュ=シュル=メール、>>続きを読む
[タル・ベーラが撮った"13日の金曜日"] 80点
クリス・ナッシュ長編一作目。ある大学生集団が湖畔の朽ちた家にあった金のロケットを盗ったことで、そこに眠っていたかつての殺人鬼の死体が蘇ってしまい…>>続きを読む
[現実と虚構が入り交じるレストラン] 50点
カンタン・デュピュー長編13作目。田舎にあるレストラン"The Second Act"に四人の男女が集まる話。フロランスは恋人のダヴィドを父親ギヨームに>>続きを読む
[クロアチア、恋模様はチェスゲームの如く] 80点
傑作。ズヴォニミル・ベルコヴィッチ(Zvonimir Berković)長編一作目。クロアチア映画史において、"作家"の時代だった60年代に登場し>>続きを読む
[自殺した双子の弟を求めて] 70点
傑作。1982年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。マルコ・ベロッキオ長編八作目。ベロッキオは29歳のときに、双子の弟カミッロを自殺で亡くしており、本作品も自>>続きを読む
[オスロ、死者の生き返る街] 40点
Thea Hvistendahl長編一作目。今年に入ってレナーテ・ラインスヴェ出演作品が四本も立て続けに公開されているという、まさにレナーテ・ラインスヴェYEA>>続きを読む
[] 90点
大傑作。どこへ続くかも不透明な入り組んだ道を、最初から知っていたかのように(当然知っているのだが)進む冒頭から良い。岡林くんの書いた時間の逆行する式によってか、既に結末を知っているかの>>続きを読む
[イタリア、鉛の時代の後遺症] 70点
1996年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ミンモ・カロプレスティ長編一作目。ナンニ・モレッティとヴァレリア・ブルーニ・テデスキという個人的な相性最悪の組み合わ>>続きを読む
[自分のアイデンティティを否定し殻に籠もって生きること] 99点
超絶大傑作。ジェーン・シェーンブルン長編二作目。前作『We're All Going to the World's Fair』は超新>>続きを読む
[All pie is good pie] 70点
リチャード・リンクレイター長編22作目。リンクレイターと共に主演のグレン・パウエルが脚本も手掛けている。物語は警察の潜入捜査に協力している大学の哲>>続きを読む
[] 60点
2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。リュック・ベッソン長編18作目で三大映画祭コンペは初。この年のコンペは意外と三大映画祭に呼ばれてない大御所(マイケル・マンとかデヴィッド>>続きを読む
[大人になるということ、自分だけの孤独に向き合うということ] 90点
大傑作。瀬田なつき長編五作目。原作未読。なので、笠町、森本、三森など絶対に面白そうなエピソードがありそうなのに匂わせ程度で終わっ>>続きを読む
[内戦下のアメリカを"撮る"こと]
アレックス・ガーランド長編四作目。キルステン・ダンストとケイリー・スピーニーというソフィア・コッポラの新旧ヒロインが二人も登場している。四勢力に分断されて内戦下に>>続きを読む
[広州のアフリカ系移民街に暮らす人々の物語] 30点
2024年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。アブデラマン・シサコ長編五作目。市役所に集まる人々。彼らは市長による結婚宣言を待つ人々だ。何組かの新>>続きを読む
[行き先を知らぬ者は最も遠くまで辿り着く] 100点
人生ベスト。アレクサンドル・レフヴィアシヴィリ長編三作目、初カラー作品。いきなり映し出されるのは狭い書斎にこれでもかと物を置いた雑多な風景だが、>>続きを読む
[ジョージア、森を失うことは祖国を失うこと] 90点
大傑作。アレクサンドル・レフヴィアシヴィリ長編二作目。19世紀末、ジョージア南部はオスマン帝国の支配下にあった。前作『19th Century >>続きを読む
[ジョージア、森の村を守るために] 100点
人生ベスト。アレクサンドル・レフヴィアシヴィリ長編一作目。オタール・イオセリアーニやギオルギ・シェンゲラヤの監督デビュー作、そして『放浪の画家 ピロスマ>>続きを読む
[今年に入ってからIMAXで砂漠ばっか見てるな] 60+10点
ジョージ・ミラー長編12作目。マインドとしては神話の前日譚ということで、『ハン・ソロ』に近いものがある。原題からして『Solo: A >>続きを読む
[イラン、"国内で疎外されるなら国外で疎外される方がマシ"]
モハマド・ラスロフ長編6作目。テヘランで出国ビザを求める若き弁護士ヌーラの物語。ジャーナリストである夫のことも含めて、ヌーラは当局によっ>>続きを読む
[イラン、沈みゆく船、沈みゆく国家] 80点
モハマド・ラスロフ長編二作目。ペルシャ湾に浮かぶ朽ちかけた石油タンカーで暮らす不法占拠者たちの物語。タンカーはネマト船長(ネモ船長への目配せか?)と呼ば>>続きを読む
[涙を集める男が見たイランの寓話] 80点
モハマド・ラスロフ長編五作目。編集にはジャファル・パナヒ。主人公ラフマットは小さな島々を小舟で回りながら、冠婚葬祭から雨乞いみたいな儀式まで様々な行事に参>>続きを読む
[ある少年のマダガスカル駐在記] 50点
ロバン・カンピヨ長編四作目。カンヌにもヴェネツィアにも行かず、カンヌ終了後にフランス公開後、サンセバスチャン映画祭のコンペに選出されるなどの謎ムーヴで昨年の>>続きを読む
[モラハラの解剖学] 60点
ヴァレリー・ドンゼッリ長編七作目。エリック・ライナートによる同名小説の映画化作品で、監督との共同脚本にオードレイ・ディワンも参加している。物語はブランシュというローズと>>続きを読む
[主人公に危機感がなさすぎでは] 40点
2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。ステファノ・ソッリマ長編五作目。『バスターズ』『暗黒街』に続く"犯罪都市ローマ"三部作の終章。悪徳警官バスコ>>続きを読む
[落下と家と死への無意識的な執着] 80点
傑作。マルコ・ベロッキオ長編23作目。マッシモ・グラメッリーニによる同名小説の映画化作品。子供時代に母親を亡くした主人公マッシモは大人になっても母親の幻影>>続きを読む
[ハンガリー、疑心暗鬼に陥るテロリスト] 80点
傑作。ヤンチョー・ミクローシュ長編八作目。1934年10月9日、マルセイユにてユーゴスラビア国王アレクサンダル1世とフランス外相ルイ・バルトゥーが暗>>続きを読む
[ハンガリー、激動の1930年代を生きる] 60点
ヤンチョー・ミクローシュ長編18作目。同年に公開された『ハンガリアン狂詩曲』から、終ぞ完成しなかった『コンチェルト』へと連なる三部作"Vitam >>続きを読む
[ブルーノ・ガンツ、リスボンの町を歩き回る] 80点
傑作。1983年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。アラン・タネール長編八作目。今回はスイス人海洋整備士ポールが、航海中に立ち寄ったリスボンに留ま>>続きを読む