広島カップ

ザ・ローリング・ストーンズ/レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザーの広島カップのレビュー・感想・評価

3.8
本作のツアーの模様を収めたストーンズのLIVEアルバム「STILL LIFE」(1982)が出た時に、RCサクセションのギタリスト仲井戸麗市がFMラジオの音楽番組にゲスト出演して同アルバムについて語っていた。
本作のツアーでストーンズは舞台の奥の方から客席側に向かって下り傾斜がついているステージを使っていて、RCは自分達のステージでそれを真似たという。
「下りはいいんだけど、上りが疲れちゃうだよね」とチャボは笑いながら話していた。
そんな辛い?構造のステージのはずなのにミック、キース&ロンの三人の運動量といったら凄い。特に当時30代後半だったミックのステージングはヴィヴィッドなアメフト仕様の衣装からしてもロックボーカリストというよりスポーティなダンサーのように見える。

明るい青空をバックにした巨大な屋外フットポールスタジアムで、楽曲的にも速いロックナンバーが多くセレクトされていて陽性な熱気がムンムンしている。70年代のズルズルとした暗く引き摺るようなブルースっぽい曲が少ないのが特徴。

1981年のストーンズ北米ツアーの様子を映す本作。
チャーリー・ワッツが亡くなった今に観ると、彼のバンドの中での偉大さに改めて気づきます。前三人がやりたい放題にやっているのを後方から音楽的に引き締めているのが良く伝わって来る。名実共にストーンズは彼の死を持って終焉を迎えた感じがします。

公開時に二度劇場に足を運んだ私はこの作品を観た後にいても立ってもいられずお茶の水のクロサワ楽器に向かいTELECASTER(Fender JAPAN)を買ってしまったのでした。
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