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ロアーのnoteのネタバレレビュー・内容・結末

ロアー(1981年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

アフリカで150頭を超える猛獣たちと生活する父を訪ねてきた母と子供たち。空港に迎えに来ているはずの父とすれ違い、彼のいないまま家に辿り着いた母子たちを待っていたのは、なんと猛獣たち。外出した父親が戻ってくるまで、家の中を必死で逃げ惑う母と子どもたちの騒動を描いたパニック・コメディ。

一体、どうやって撮影したんだ?
その一点にド肝を抜かれる作品。
80年代の映画なので、当然ながらCG無しの本物の動物達が登場。
ライオン、トラ、ヒョウにゾウ…尋常ではない数の猛獣たちと俳優との距離が異様に近い。
ムツゴロウさんや松島トモ子さんどころではない。
ほんの少し触れられるだけでも大怪我は間違いない。
留守の父親が帰るのを待つ間、母親と子どもたちがいつ食われてもおかしくない状況が連続なのが怖い。
限りなくドキュメンタリーに近い「ジュラシックパーク」のような感覚を覚える。

理解のない動物保護団体?の人間に怪我を負わせ、家中を破壊し、乗り物を壊し、猛獣たちが危険な様子をキッチリ見せておきながら、後半はライオンもトラも家族に添い寝してきたり、じゃれ合ってきてとても可愛いらしい。
演者からしたら命懸けなのだが…。

猛獣の怖いところを見せたいのか?
それとも可愛いところを見せたいのか?
少々理解に苦しむのが難点。
危険だと判断した人間が無闇にライオンを撃ち殺す描写もあり、動物たちを守ろうというメッセージもある。

こんなにも撮影が危険な映画は、今では作ることはできないだろう。
動物好きが転じて「狂気の沙汰」だと感じる映画である。
一見の価値は充分にある。
見る人によってはホラー映画に見えるだろう。

実際にカリフォルニアで猛獣たちと暮らす
ノエル・マーシャルが製作・監督・脚本、おまけに主演。
撮影はヤン・デ・ボンが担当。
出演は当時の監督の妻でヒッチコックの「鳥」が有名なティッピー・ヘドレン、その娘である若き日のメラニー・グリフィス。
監督の息子ノエル・マーシャル、ジェリー・マーシャルも出演。
…家族をも危険に晒すとは…やはり狂気の沙汰である。
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