ぽてと

ウイラードのぽてとのレビュー・感想・評価

ウイラード(1971年製作の映画)
1.8
本物のネズミが大量出演のネズミホラー。でもネズミはほぼ悪くない。モンスターでもない。
とろい主人公が色々と自分の思うようにいかなくて悲観して、ネズミを利用してイキッたって感じ。

主人公ウイラード…なんか子供っぽい。頑張ってるのかもだけど仕事で努力してる描写がほぼないから、マジで人並みにやってるのか見えない。
罵りたくなるのもちょっと分かる。その仕事カバン、ほぼネズミしかいれてないだろ笑
日本のパワハラのがあからさまでヤバイんじゃない。
仕事が合ってないんだよ多分。

母親との関係がベタベタしてて普通の親子よりなんか距離近い。親が手取り足取りだったんだろうなと、だいたいこの主人公像が浮かぶ。

主人公以外がものすごい悪にも見えないし、逆恨みっぽく見えました。
主人公の世界と周りの人の世界が違うんだろうな。自分が理解できないことは悪い方に謎解釈しがちだし。
真面目にやってる風だけど自分本位でサイコパスっぽい。

じゃネズミとは上手くいったのかというと終盤はそうでもなかった。意外。
お友達ごっこ始めといて結局、自分がかわいい。
ネズミのソクラテスのあのシーンなんか、男らしく「俺がやります!」って手で握って外に連れ出せばよかったじゃん。触れるんだから。

…最後の最後までこの映画について、「主人公本当にかわいそう、ネズミだけが理解者」みたいな庇うような視点で作られてると思ってたためイライラしてた訳ですが、

最後のシーンで、「やっぱそうなるよね!ベン最高!」とスカッとしました。
良いネズミ年になりそう。
私にとってはタランティーノのデスプルーフを思い出すようなデデーン!という急なハッピーエンド。

自分がされて嫌なことを動物にやっちゃってましたからね。
親友と言いながら支配して利用して、都合が悪くなるとアレですもんね。
動物に対するいわゆる人間のエゴみたいな、皮肉を感じました。
心を通わせてると思ってたのも一方的な思い込みだったのかもですね。
ぽてと

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