レク

TOKYO!のレクのレビュー・感想・評価

TOKYO!(2008年製作の映画)
3.6
ミシェル・ゴンドリー、レオス・カラックス、ポン・ジュノ、3人の監督が東京を舞台に撮った3本のオムニバス映画。
世にも奇妙な物語のような作風ながらそれぞれの監督の特性が引き出され、日本らしからぬ空気を醸し出す。
各作品のレビューは個別にツイートしていきます。



『インテリア・デザイン』ミシェル・ゴンドリー監督
映画監督の恋人と共に上京してきた女性の心身の変化を描く。
東京に馴染めない彼女のある身体的な異変をキッカケに、他人の家に居座ることで自分の居場所を見つける。
シュールレアリズムを突き詰めた作劇、心苦しくもおかしなファンタジーだった。


『メルド』レオス・カラックス監督
マンホールから現れては街中を奇行する男が、ゴジラのBGMに乗せて東京の人々を襲い、恐怖に陥れていく。
花や紙幣を食べ、女性の脇を舐め、爆破テロを起こす。
"下水道の怪人"と呼ばれるモンスターは人間に内包する"メルド(糞)"な部分を浮き彫りにする存在なのか。


『シェイキング東京』ポン・ジュノ監督
10年引きこもりの男性とピザ配達の女性の出会い。
繰り返される日常からの逸脱。
地震によって引きこもり、地震によって外へ出る人々。
短い時間の中で状況を転がし、役者を動かし、心を揺さぶり、東京の街を別角度から切り取るポン・ジュノの演出力を煮詰めた作品。
これは凄い。
レク

レク