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女囚さそり 701号怨み節のryotaのネタバレレビュー・内容・結末

女囚さそり 701号怨み節(1973年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

まるでこちらの作品がダメみたいに聞こえると心外なので笑、こちらもちゃんと書いときます。いろんな人が感じると思いますが、伊藤監督よりテイストがライトになったので、観やすくいけど違うかなあっていう、そういう感じです。

前半なんかが特に違くて、警察と戦うナミのシーンがアクション映画さながらです。長谷部監督ということは「野良猫ロック」だから、そっち方向に寄せたのかなと感じました。反体制派、国家権力に対する反逆という野良猫感が全面に出てますよねえ。それと一番の違いは、男性キャストがしっかりナミと絡む設定で登場します。これが映画に厚みを出していますね間違いなく。田村正和とか細川俊之とか、意外だけどいい感じです。中盤以降ようやく刑務所シーンになっていきますが、ナミがいじめられるというより、ナミ信者の女囚が出てくるなどの変貌ぶり(脱獄すると歓喜されてた)。絞首刑のシーンがほとんどですが、伊藤演出ほどのジメジメしさはないものの、劇画タッチを踏襲した演出とか、明らかな撮影所セットでの外シーンも含めてファンを裏切らないような作りになっているのがよくわかって面白いです。

全体的にスタイリッシュにまとめようとしてたのかな、タイトルバックもちょろっとオプチカル入れているし(演劇的アナログ手法ではない)、ところどころ短いカットを入れたりとか、長谷部監督らしいところも見え隠れして、それはそれで面白い作品です。もちろん、梶さんの目力は最高ですしね。ただ、個人的にはジメジメして陰険な、やりすぎ感満載の伊藤監督の作品の方が衝撃的でした。梶芽衣子さんはこの作品がお気に入りだとか。わかる気がします。
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