ルネ

ネイキッドのルネのレビュー・感想・評価

ネイキッド(1993年製作の映画)
5.0
1993年公開。 マイク・リー監督作品。 カンヌ国際映画祭で監督賞と主演男優賞(ディヴィッド・シューリス)。

混沌とした現代のイギリス社会を背景に、暴力的な衝動にかられるままに行動する青年ジョニーを中心に、若者たちの赤裸々な行き様を描いた群像劇。

マンチェスターの通りでレイプしたジョニー(デイヴィッド・シューリス)は、盗んだ車でロンドンに向かい、昔の女ルイーズ(レスリー・シャープ)のアパートにたどり着く。彼女は不在だったが、同居人のソフィー(カトリン・カートリッジ)に招き入れられて・・・。

人生の無意味さにウンザリしているジョニーは、ウディ・アレン並のマシンガントークで訳の分からない事を喋り倒す、かなりめんどくさい男。 誰との会話にもまともに取り合わない。 

ジョニーは無職かつ無一文の男なのだが、もう一人の登場人物はかなり裕福な男で、『アメリカン・サイコ』の主人公が無愛想になったような雰囲気。

2人ともサディスティックなセックスが好きで、『ブルー・ベルベット』っぽいプレイ(あそこまで異様じゃないけど)をする。

ジョニーが色んな意味で彷徨うだけの物語なのだが、彼の不器用さとある意味純粋な部分が悲しくも美しかった。

マイク・リー監督作品だと、『キャリア・ガールズ』(1997年)と似た雰囲気で、「キャリア・ガールズ」というセリフもこの作品の中で使われている。
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