BOB

美しき結婚のBOBのレビュー・感想・評価

美しき結婚(1981年製作の映画)
3.5
エリック・ロメール監督の"喜劇と格言"シリーズ第2作。

古美術店で働く若い女性が、子持ち既婚者の愛人と別れ、将来の良き旦那を探す。親友から、弁護士の従兄弟を紹介される。

「夢想にふけらない人がいようか。空想を描かない者があろうか。」

"超"が付くほどの勘違い自己中女の生態を観察する、"人の振り見て我が振り直せ"型映画。イタすぎて、苛立ちを一気に通り越し、憫笑するしかなかった。しかも、成長しないんかい!笑

サビーヌから強引なアプローチを受けるエドモンドの表情が凄い。こいつやべぇー!今すぐ帰りてぇー!という思いが顔に出てしまっていた。が、こればかりは仕方がない。むしろ、感情を抑え、言葉を選びながら、誠意を持った対応をしていて、"大人"だと思った。さすがはパリの有能な弁護士。

ル・マン旧市街の雰囲気がとても良い。古い建物が立ち並ぶ石畳の狭い通りや、美しいステンドグラスを構えた教会が歴史を感じさせる。女性陣の服装は、町並みに溶け込んでいてお洒落。

『美しき結婚』というタイトルと、オープニングとエンディングに流れるコメディ劇の出囃子のような曲に、皮肉が込められていて好き。🟠

結婚とは、「生活上の単なる譲歩。」

221
BOB

BOB