怖いのスッキ

迷宮物語の怖いのスッキのレビュー・感想・評価

迷宮物語(1987年製作の映画)
5.0
サチー。と無機質に呼ぶ母の声はまじホラー

ラビリンス*ラビリントスから始まるオムニバスなんだけど、このナビゲーター的役割も担うラビリンス*ラビリントスという作品があまりに秀逸すぎる。







以下ネタバレ----







不安になるくらい不気味な作画と演出がともかく息を飲む。
赤と黒の世界、大正〜昭和の日本、時代背景。歌舞伎ごっこをするサチ。
心地良く不気味なサティのジムノペディ
気味の悪いピエロと、古時計、古い鏡台、
母の真っ赤な口紅と真っ赤な爪に白すぎる肌、長い首筋、振り子の音、
下駄の音、かくれんぼ
飼い猫の鈴の音と寂れた巡業サーカスの不気味な生き物たちの葬列のようなパレード、流れる軍歌

どれを取っても、意味不明で甘美的。
素晴らし過ぎて言葉を失う。
私の中の神作品。絶版なんて勿体なさすぎる。
2018年の今でも十分に通用するアニメーション。

走る男の良さは、年取ってから見たらわかる。ガキの頃には理解不能だった

工事中止命令も言わずもがな神作品。
大友イズムを存分に感じる事が出来て、細部まで書き込まれてる様はまるで大友先生の漫画がそのまま動き出したみたい。

この作品を小学生の時に見てしまったので
わたしという人間の価値観や感覚、人格形成に尊大な影響を齎した。

常人とは一味ひねくれた人間にお子さんを育てたい親御さんには申し分無い程の良い教材です。おススメ

中学に上がり、初めて持った携帯の着メロをラビリンス*ラビリントスの挿入歌(軍歌)を3和音で自ら作って満足気に使用していた位にはヤバめの仕上がりになること請け合いです。最終的に飼い猫にチチェローネと名前を付け出したら完璧です。
怖いのスッキ

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